欧州委員会は12月14日、サステナブルファイナンス・アクションプラン政策の一環で、欧州の銀行監督当局でのESリスクの考慮状況と、欧州の銀行各社での融資リスクマネジメント戦略・融資方針へのESGインテグレーションの状況を分析した中間レポートを発表した。欧州委員会は2019年4月に、ブラックロックの金融当局コンサルティング部門BlackRock Financial Markets Advisory(FMA)を委託者として採択しており、同レポートは同社がまとめた。委託費用は55万ユーロ(約7,000万円)。
同調査では、銀行監督当局、銀行、国際機関、NGO、学者、サービスプロバイダー等に対するフォーカスグループ調査、公開情報調査、アンケート・インタビュー調査を組み合わせて実施された。実施対象は、EU域内の銀行が29社、EU域外の銀行が13社、EU加盟国の金融当局が32機関、EU非加盟国の金融当局が11機関、その他が66社・人。調査資料は620以上に及ぶ。
同レポートは、調査対象の銀行について、ESGリスクのインテグレーションを強化していると主張しつつも、具体的なタイムラインや責任を明確にした上でESGリスク・インテグレーション戦略を定式化している企業は少ないと言及。気候変動リスクに関しても、小規模の銀行はリスクマネジメントへの統合を開始すらしていないことがわかった。
また、規制当局側でも、気候変動ストレステスト等を通じて、行政監査プロセスにESGリスクを反映させている国はごく少数にとどまった。ほとんどの当局は、ESGリスクを監督する定量的な指標を定めていないこともわかった。
今回の中間レポートを受け、最終レポートは4月頃に発行される予定。
【参照ページ】Interim study on the development of tools and mechanisms for the integration of environmental, social and governance (ESG) factors into the EU banking prudential framework and into banks' business strategies and investment policies
【レポート】Report
【参照ページ】Services - 165869-2020
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら