食品世界大手米ペプシコは12月7日、英炭素回収・利用(CCU)ベンチャーCCmTechnologiesと協働し、ポテトチップス製造過程で廃棄されるじゃがいもの皮から肥料を生産することに成功した。これにより二酸化炭素排出量を大規模に削減できる。
CCmTechnologiesは、2011年に英オックスフォード近郊で創業。回収した炭素を、食品廃棄物や、リンやアンモニア等の産業廃棄物と化学反応させ、生産工程での二酸化炭素排出量が非常に少ない肥料を生産する技術を持つ。英チャールズ皇太子が運営し、世界経済フォーラム(WEF)も支援する「サステナブル・マーケット会議」の構成メンバーでもある。ペプシコは同社の早期の実証提携企業として、2020年9月に協働作業を開始していた。
今回のアクションは、ペプシコの英レスター工場で製造するポテトチップス「ウォーカーズ」の製造過程で、廃棄されるじゃがいもの皮を嫌気性消化装置に接続し、嫌気性消化プロセスからの副産物廃棄物として低炭素肥料を生産。生産した肥料は、英全土でポテトチップス用のじゃがいも農家で再利用する。これにより、じゃがいも栽培の資源循環を高め、農業に伴う環境負荷を削減する。廃棄物埋め立てゼロの実現にも貢献できる。
ペプシコは、2021年には、CCmTechnologiesの機器を大規模に導入する予定。肥料の大規模供給が実現すると、じゃがいも由来の二酸化炭素排出量を70%削減できるという。
ペプシコはこれまでも、英国農家の水使用量と二酸化炭素排出量を半減するプログラムを推進。今回の取り組みは今後10年間、じゃがいも生産でカーボンネガティブを実現する可能性があるという。同技術は、欧州市場のオート麦やとうもろこしにも展開予定。
【参照ページ】WE’RE CUTTING CARBON EMISSIONS BY BRINGING POTATOES FULL CIRCLE
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