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【日本】石油連盟、2050年カーボンニュートラルに「チャレンジ」。北海道電力は目標標榜

 石油連盟は3月19日、「石油業界のカーボンニュートラルに向けたビジョン(目指す姿)」を発表し、技術開発にチャレンジする姿勢を見せた。2050年までの社会全体での二酸化炭素ネット排出量ゼロ(カーボンニュートラル)を実現するために、CO2フリー水素、合成燃料、CCUS(炭素回収・利用・貯留)の3つの研究開発と社会実装に「チャレンジする」としたが、業界全体の2050年カーボンニュートラルは示さなかった。

 今回の発表では、スコープ1とスコープ2では、石油精製プロセスでのCO2フリー水素の活用や、炭酸塩プロセス等のCCUSで二酸化炭素排出量を削減する模様。CO2フリー水素では、グリーン水素とブルー水素だけでなく、原子力発電電力での水電解を行うイエロー水素も視野に入れていると思われる。

 石油連盟にとって、最大の課題となるスコープ3では、次世代バイオ燃料の技術開発、CO2フリー水素の技術開発、合成燃料(e-fuel)の技術開発とし、石油系燃料としては原料を転換しつつ、燃料電池車(FCV)等では水素エネルギーを供給する意向を示した。

 その他の削減貢献分野では、廃プラリサイクル、CCUS、水素供給事業、バイオマス由来の石油化学製品の原料転換等を掲げた。

 但し、今回の発表では、2050年の段階で、全ての石油製品の代替までは示さなかった。そのため、国際的には認められていない削減貢献量を含めた形でしかカーボンニュートラルを実現できないビジョンとなっている。

 いずれに事業についても、2025年頃までに技術開発段階を終え、社会実装を始めたい考え。

 ENEOSホールディングスは同日、カーボンオフセットを積極化するため、2社との提携を発表。森林マネジメントwoodinfoとの間では、woodinfoの3Dレーザーやドローンを用いた計測技術や計測データ解析システムを活用し、森林資源情報をデジタル化し、森林の維持管理に必要な情報(間伐、出材、植林を行うエリア・タイミング)を管理者に提供。最終的には森林が吸収・固定した二酸化炭素のクレジット化を目指す。第1弾のプロジェクトとして、JX金属が所有する鉱山跡地の遊休林で二酸化炭素固定量を測定する。もう1社は、ウエイトボックスとの提携で、ウェイストボックスの二酸化炭素クレジットの権利化やカーボンオフセットの知見と経験を活用し、環境価値取引事業を構築。ENEOSは、100%出資のENEOSイノベーションパートナーズを通じ、woodinfoとウエイトボックスに出資もした。

 また、北海道電力は同日、2050年カーボンニュートラル目標を掲げた。泊原子力発電所の再稼働で二酸化炭素排出量を2013年度比で50%減。その他、水素やアンモニアを活用した火力発電、洋上風力発電を掲げた。電力業界では、関西電力と中部電力も2050年カーボンニュートラルを表明している。

 北海道電力は同日、ロシア・サハリン州産の天然ガスを、全量排出量をオフセットした状態で輸入し、「カーボンニュートラル」LNGが道内に到着したと発表している。輸入量は6.4万t。

【参照ページ】石油業界のカーボンニュートラルに向けたビジョン(目指す姿)の策定について

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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