食品世界大手仏ダノン取締役会は3月15日、エマニュエル・ファベール取締役会議長兼CEOの解任を発表した。ファベール氏は3月1日に、取締役会議長とCEOを分離し、自身は取締役会議長に専念することを取締役会に提案し、取締役会の賛同を得ていたが、最終的に同社の取締役職だけが残る形となった。
今回の一連の事案については、英ヘッジファンドBluebell Capital Partnersと、米Artisan Partners(APAM)等の株主が、同社に対しガバナンスの強化を要求していたことがある。ファベール氏は、取締役会議長とCEOの分離を実行することで、対応しようとしたが、同時に、ネスレやユニリーバと比べ、株価が芳しくないことも追求され、最終的には解任される形となった。
今回、同社取締役会は、新たな取締役会議長に、仏電気設備大手ルグランのジル・シュネップ元CEOを選任。また暫定CEOに、Véronique Penchienati-Bosseta国際事業担当最高経営責任者(CEO)を、暫定副CEOにシェーン・グラント北米事業担当最高経営責任者(CEO)を任命した。同時に次期CEOの選定作業も始めた。
ヘッジファンドBluebell Capital Partnersは、ガバナンスに着目するアクティビスト型のヘッジファンドとして2019年に創業。創業者は、1984年から2013年までブルガリCEOを務めたフランチェスコ・トラパーニ氏、ゴールドマン・サックスやマッキンゼーでの勤務経験のあるジョゼッペ・ビオーナ氏、ゴールドマン・サックスやJPモルガン等で金融機関に23年間務めたマルコ・タリッコ氏の3名が共同最高投資責任者を務める。もともと3者は、ガバナンス・コンサルティング会社を経営していたが、さらにガバナンスに介入するためヘッジファンドを立ち上げた。目下、欧州の大型・中型株をターゲットとしている。
【参照ページ】New governance at Danone Emmanuel Faber steps down as Chairman and CEO Gilles Schnepp appointed non-executive Chairman
【参照ページ】Danone's Board of Directors confirms unanimous support for Emmanuel Faber, who proposes the separation of Chairman and CEO roles
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