英ビジネス・エネルギー・産業戦略省は7月27日、製造業のデジタル技術の開発促進で、5つの新たなデジタル製造研究センターと、サプライチェーン生産性向上のためのプロジェクト37件に総額5,300万ポンド(約81億円)を助成した。製造業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を一気に進める。
今回の助成では、大学を核としたデジタル製造研究センターを5ヶ所に開設し、合計約2,500万ポンドを拠出する。5ヶ所にはそれぞれテーマが設定されており、複数大学のコンソーシアムを大学側が自発的に発足した。
- デジタル医薬品製造研究センター:ストラスクライド大学、ケンブリッジ大学、ラフバラー大学を拠点。医薬品供給と臨床試験のデジタルサプライチェーン構築
- スマート・コラボレーティブ・インダストリアル・ロボティクス研究センター:ラフバラー大学、ストラスクライド大学、クランフィールド大学、ブリストル大学、ウォーリック大学を拠点。製造業のロボティクス
- コネクテッド・ファクトリー研究センター:ノッティンガム大学、ケンブリッジ大学、シェフィールド大学を拠点。市場の需要変化に応じて柔軟に生産体制を利活用できる「モーフィング・ファクトリー」の実現
- 素材メイド・スマーター研究センター:シェフィールド大学、ケンブリッジ大学、ラフバラー大学を拠点。カーボンニュートラルに向け、新素材や製造プロセスの技術的課題を克服
- 人間志向デジタル化:バース大学、ノッティンガム大学、ラフバラ大学ーを拠点。製造業のデジタル人材育成
企業プロジェクトでは、製造業のサプライチェーンの生産性とサステナビリティを向上するため、助成対象を37件を選定し、合計1,800万ポンドを助成する。例えば、ジャガー・ランドローバーは、皮革のなめし加工でブロックチェーン技術を活用したトレーサビリティを確保。Pragmatic Printingは、廃プラスチックのトレーサビリティを確保し、リサイクル体制を増強。Circulorは、ブロックチェーン技術を活用し、サプライチェーンでの原材料原産地と品質、二酸化炭素排出量のトレーサビリティを確保等。
その他、1,000万ポンドを投じ、メイド・スマーター・イノベーション・デジタル・サプライチェーン・イノベーション・ハブを設置。ソリューション開発のためのハブとする。「メイド・スマーター」は、デジタル製造により収益性を高める英国政府の政策スローガン。ハブは、英政府のイノベーション推進機関「UKリサーチ・イノベーション(UKRI)」所管のイノベートUKの下に設置されたテーマ毎チームの一つ「デジタル・カタパルト」が統括する。
【参照ページ】New £53 million funding for UK manufacturers to boost competitiveness through digital tech
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