CRMツール世界大手米セールスフォース・ドットコムは9月21日、スコープ3を含むバリューチェーン全体でのカーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)と、100%再生可能エネルギーへの転換を達成したと発表した。加えて「Sustainability Cloud」の新バージョン2.0版のリリースし、顧客の脱炭素化を加速する。
同社は、「二酸化炭素排出量削減」「二酸化炭素除去」「植林」「生態系の回復」「教育とモバイル化」「イノベーション」「規制と政策」の6分野に注力。1.5℃目標に則し、長期目標として、2030年までにスコープ3含む二酸化炭素排出絶対量を最大50%削減と、2040年までに同絶対量をほぼゼロにするようコミットしている。削減しきれない排出量については、再生可能エネルギーやカーボンクレジットの購入を通じ、ネット排出量ゼロを達成する。
【参考】【国際】Climate Pledge加盟企業が201社に増加。2040年カーボンニュートラル、IPCC報告に呼応(2021年9月21日)
また同社は、環境負荷測定システム「Sustainability Cloud」をバージョンアップ。7月に買収完了したSlackと連携し、スコープ3に相当するサプライヤーでの排出量測定とレポーティングを容易にする。また最短でのカーボンニュートラル達成に向けたシナリオ設定や脱炭素化計画を可視化。企業間でのカーボンクレジットの取引も可能にする。同ツールは、決済世界大手米マスターカードも導入済み。
【参考】【国際】マスターカード、スコープ3CO2排出量測定でセールスフォースのツール採用(2021年9月23日)
同社はその他、世界経済フォーラム(WEF)の植林推進組織「1t.org」が掲げる2030年までに合計25億本の植林を行うことにもコミット。森林保全、回復、成長については、2030年までに1兆本を目標として設定した。すでに森林保全NGO「American Forests」と「One Tree Planted」に対し、100万米ドル(約1.1億円)を拠出。環境保全・貧困撲滅キャンペーン「Global Citizen」や「Trees for Jane」にも資金を拠出し、自然を軸としたソリューション(NbS)での二酸化炭素排出量削減を進める。
【参考】【国際】世界経済フォーラムの1t.org、20社以上が2030年までに合計25億本の植林にコミット(2021年9月28日)
【参照ページ】Salesforce Achieves Net Zero Across Its Value Chain and 100% Renewable Energy
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