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【中国】国務院、気候変動政策強化で新たな施策発表。石炭消費量の増加を厳しく抑制

 中国国務院は11月2日、気候変動、大気汚染、水質汚染に対する政策をさらに強化するとの方針を掲げた。中国での環境保護に対する構造的、根源的、傾向的な状況は根本的には未だ緩和されておらず、政府が掲げる2030年カーボンピークや2060年カーボンニュートラルを達成するための課題は困難なままとし、達成に向けた行動を強化する必要があると発した。

 今回の発表では、2025年までの目標として、GDP当たりの二酸化炭素排出量は2020年比で18%減、地級市以上でのPM2.5濃度は同10%減、大気の質が良い日の割合は87.5%にまで増加、地表水カテゴリーIからIIIの水域の割合は85%にまで増加と設定した。

 また、沿岸水域の水質では、1級と2級の割合を約79%にまで増加し、土壌汚染のリスクも効果的に管理され、固形廃棄物や新たな汚染物質も「大幅に改善」されている状態を目指すとした。

 そして2035年には、環境に配慮した生産・生活様式が広く形成され、2030年にピークアウトした二酸化炭素排出量はその後も着実に減少している状態にすると意気込んだ。

 具体策としては、エネルギー、工業、都市・農村建設、交通等の分野と、鉄鋼、非鉄金属、建築材料、石油化学、化学等の産業に焦点を当て、綿密な炭素ピークアクションを実施と言及。統一的な国家計画を前提に、主要企業が率先してピークに到達するようにするとした。全国規模の二酸化炭素排出量取引市場も強調。国家気候変動適応戦略2035を策定することも表明した。

 エネルギーでは、2025年までの第14次5カ年計画期間中に、石炭消費量の増加を厳しく抑制し、非化石燃料の消費割合を約20%に高める。北京・天津・河北地域では石炭消費量を約10%、長江デルタ地域では5%減少させるとした。自家発電用石炭火力発電の新規増設は原則として認めない。一方、天然ガスを優先的に使用するを掲げた。北部の寒冷地帯では、クリーンヒーターのパイロット都市の範囲を順次拡大する。

 重工業では、法規制に基づき、古い設備から休止し、過剰生産能力を解消。鉄鋼では、高炉や転炉の製鉄から電炉製鉄への転換を推進。主要地域では、鉄鋼、コークス、セメントクリンカー、板ガラス、アルミニウム、石炭加工製品の生産能力の新設を厳禁。石油精製能力の新設も厳しく管理する。

 ライフスタイルでは、環境教育を国家教育システムに採り入れ、環境保護や生態系に対する意識を向上させる。地域の状況に応じた廃棄物分別システムを導入し、郵送梱包のグリーン化、プラスチック汚染の防止と管理も明言した。グリーン消費のインセンティブ・メカニズムも確立する。

 国務院は別途11月9日、2021年12月1日から施行される「地下水管理条例」も発表。10月19日には、生物多様性保護強化通知も発表し、森林カバー率を2025年に24.1%、2035年に26%、湿地保護率も2025年に55%、2035年に約60%との目標も掲げた。国立公園等の自然保護区では2035年までに国土の18%以上と定めた。

【参照ページ】中共中央 国务院关于深入打好污染防治攻坚战的意见
【参照ページ】李克强签署国务院令 公布《地下水管理条例》
【参照ページ】中共中央办公厅 国务院办公厅印发《关于进一步加强生物多样性保护的意见》

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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