英国政府の航空宇宙技術研究所(ATI)は12月6日、液体水素を燃料とする279人乗りの中型旅客機コンセプトモデルを発表した。英国政府の支援を受けたFlyZeroプロジェクトに参加している英国内の航空宇宙専門家チームが開発した。
今回の発表のコンセプトモデルは、航続距離が6,042マイル。速度や航続距離も従来型の旅客機と同等。ロンドンからでは、サンフランシスコ、デリー、北京、バンクーバー、メキシコシティ、リオデジャネイロ等まで給油なしでフライトできる。また、オークランド、シドニー、ホノルル等も1度の寄港で航行でき、世界中を1回の給油でカバーできる。
仕様は、液体水素を動力源とし、燃料は後部胴体にあるマイナス250℃の極低温燃料タンクと、前部胴体に設置された2つの小型チークタンクに貯蔵。チークタンクは、燃料消費後に機体のバランスを保つ役割を果たし、追加の空力構造が不要。エンジンは、両側の主翼に水素燃焼ターボエンジンが2基。
英ジョンソン首相は、運輸相を議長とするジェットゼロ会議を主宰し、英国でゼロカーボン型の航空機産業を創造する協議を進めている。その中核を担うATIのFlyZeroプロジェクトには、官民の専門家が集うとともに、政府も助成金を支給している。
【参照ページ】【イギリス】首相、重工業の脱炭素化イノベーションで480億円の助成金。グリーンリカバリーの一環(2020年7月31日)
【参照ページ】【イギリス】政府、ゼロエミッション航空機開発支援に7.7億円助成。SAF開発・普及には28億円(2021年7月4日)
【参照ページ】Government-backed liquid hydrogen plane paves way for zero emission flight
【画像】ATI
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