米電機大手カミンズと中国石油化工集団(シノペック)は12月21日、中国でのグリーン水素生産で折半合弁会社カミンズ・エンツェを設立すると発表した。中国は「世界の水素工場」の地位を目指しており、欧米大手企業も積極的に中国進出を進めている。
今回の提携では、カミンズが中国・広東省佛山市の子会社カミング・エンツェから、4,700万米ドル(約54億円)を投資し、プロトン交換膜(PEM)電解槽を製造する工場を建設。生産能力は、2023年の完成時に年間500MW。その後、5年間で年間1GWにまで拡大する。他にも、オンサイトでの小規模水素生産施設から、100MW以上の大規模工場まで幅広くラインナップを揃える。
シノペックは、すでに、中国最大の水素生産規模を誇り、現時点で年間生産能力は350万t。中国全土の水素生産量の14%を占める。シノペックは2020年、世界有数のクリーンエネルギー化学企業になるというビジョンを掲げ、水素産業チェーン全体を新電力戦略の中核事業に指定。さらに、従来のグリーン水素生産から、グリーン水素やブルー水素の生産へと切り替えている。
水素エネルギーの重要な産業資源として、シノペックは強力な産業的背景と統合されたバリューチェーンを持っている。シノペックは、中国全土にある30,000カ所以上のガソリンスタンドを活用して、石油、ガス、水素、電気の総合的なサービス能力を開発し、消費者志向のブレークスルーを追求して、産業チェーンのエネルギー転換を推進している。また、シノベックの第1弾の戦略ファンドを通じて、サプライチェーンの最適化や販売・マーケティングネットワーク等に投資をし、カミンズ・エンツェの事業を加速させる。
カミンズも、水素生産設備でリードしており、現在までに世界中で2,000基以上の燃料電池と600台以上の電解槽を展開。今回工場を建設する中国・佛山市は、水素エネルギー産業の中国の国家拠点としても位置づけられている地域。
【参照ページ】CUMMINS AND SINOPEC OFFICIALLY LAUNCH JOINT VENTURE TO PRODUCE GREEN HYDROGEN TECHNOLOGIES IN CHINA
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