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【アメリカ】バイデン政権、太平洋島嶼国14ヶ国と「米・太平洋パートナーシップ宣言」発表

 米国と太平洋島嶼国14ヶ国は9月29日、米・太平洋島嶼国首脳会議を開催。「米・太平洋パートナーシップ宣言」を発表した。太平洋島嶼国とのパートナーシップ宣言は今回が米国史上初。安全保障だけでなく、気候変動、ブルーエコノミー等の面で米国との政府間関係を強化する。

 米国政府は、ミクロネシア連邦、マーシャル諸島、パラオの3カ国が1980年代から1990年代にかけ米国から独立する際に、個別に「自由連合協定」を締結。ミクロネシア連邦及びマーシャル諸島との条約は1982年、パラオとの間では1993年に署名。それ以降、米国政府は3カ国を国家承認し、かつ経済援助を与える代わりに、安全保障に関しては米国が統治権を持つという制度を始めた。この自由連合協定が、ミクロネシア連邦及びマーシャル諸島は2023年に、パラオは2024年に終了期限を迎えることになっている。

 今回の発表では、自由連合協定の更新に関する交渉を2023年までに妥結させることを3ヶ国とともに確認するとともに、それ以外の太平洋島嶼国との関係強化を掲げたもの。太平洋島諸国で構成する太平洋諸島フォーラムは、独自に「青い太平洋大陸のための2050年戦略」を定めている。

 また、米国、日本、英国、オーストラリア、ニュージーランドの5カ国政府は6月、米国政府主導で、太平洋の重要な共通課題に対処するための包括的かつ非公式メカニズム「青い太平洋パートナー(PBP)」を発足。優先事項として、「気候変動レジリエンス、適応、災害」「安全でレジリエンスのあるテクノロジーとコネクティビティ」「海洋と環境の保護」「人間中心の開発」「資源と経済開発」「政治的リーダーシップと地域主義」の6つを設定。PBPには現在、カナダとドイツが参加意向を表明しており、EU、フランス、韓国、インドも協議に参画している。

【参考】【国際】日米英豪NZ、「青い太平洋パートナー」発足。太平洋の気候変動・海洋安全保障等で協力(2022年6月27日)

 そこで今回、米国政府は、「青い太平洋大陸のための2050年戦略」と「青い太平洋パートナー(PBP)」を踏まえ、それらを融合させる地域戦略として「米・太平洋パートナーシップ宣言」を打ち出した。予算としては8.1億米ドル(約1,200億円)の支援を表明。支援分野としては、「外交関与の拡大」「気候危機への対処」「新しい貿易・投資対話の開始」「開発援助の提供」「海洋安全保障の強化」「教育機会の拡大」「セキュリティ、健康、デジタルのキャパシティの強化」「戦争の負のレガシーへの対処」を掲げた。また、ニュージーランドと自由連合協定を締結しているクック諸島とニウエを国家承認する協議を始めることも明らかにした。ソロモン諸島、トンガ、キリバスには米国大使館を新設する。

 気候危機への対応では、海面上昇等の気候変動適応の面だけでなく、気候変動緩和も進める。米貿易開発庁(USTDA)が、太平洋島嶼国のカーボンニュートラル目標に向けた気候プロジェクトのために、4億米ドル以上の資金動員を支援すると発表。また、フィジー、パプアニューギニア、トンガへの再生可能エネルギーと送電網の近代化に向け米国企業のソリューション展開を促進すると発表した。

 貿易・投資では、新型コロナウイルス・パンデミックからの経済回復を後押しするため、5,000万米ドル以上の直接支援を表明。具体的には、交通・輸送のカーボンニュートラル化、再生可能エネルギーによる電化、観光等の分野。さらに、インフラ、気候・エネルギー安全保障、デジタル・コネクティビティ、男女平等・公平、保健・健康安全保障における優先プロジェクトについて、米国企業の関与を促進。

 海洋安全保障では、太平洋諸島における海上保安と海洋保護のための米国沿岸警備隊の活動能力強化、米連邦捜査局(FBI)による警察能力強化、武器支援等を行う。

 デジタル・コネクティビティやサイバーセキュリティでは、米国政府が5年間で最大350万米ドルを支援。ブロードバンドアクセスの改善、デジタル政策と規制の強化、公共サービス提供のためのデジタルプラットフォームとソリューションの推進、デジタルスキルおよびリテラシーの向上の分野を優先課題とした。

 健康では、新型コロナウイルス感染症ワクチンを提供。さらに新たな感染症対策のためにも500万米ドルを供給する。戦争レガシー対策では、不発弾除去に110万米ドルを提供する。

【参照ページ】FACT SHEET: Roadmap for a 21st-Century U.S.-Pacific Island Partnership

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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