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【国際】330社以上、各国政府に自然資本での企業規制義務化を要請。Business for Nature

 自然破壊からの回復と生態系保護のための包括的アクションを求める国際的な連合体Business for Natureは10月25日、各国首脳に向け、12月にモントリオールで開催される第15回国連生物多様性条約(CBD COP15)で、自然資本に関するインパクトと依存度の評価及び情報開示等を企業に義務化するよう要請する「ビジネス声明」を発表。世界330社以上がすでに署名した。

 Business for Natureは、ロックフェラー・フィランソロピー・アドバイザーズが運営。世界経済フォーラム(WEF)、WBCSD、世界自然保護基金(WWF)、Capitals Coalition(資本連合)、国際自然保護連合(IUCN)、ザ・ネイチャー・コンサーバンシー(TNC)、CDP、コンサベーション・インターナショナル(CI)、国連環境計画世界自然保全モニタリングセンター(UNEP-WCMC)、We Mean Business等がパートナー機関として参画。地球環境ファシリティ(GEF)、EU欧州委員会、ポルティカスも活動資金を拠出している。

 Business for Natureは2021年10月、各国政府に対する共同要請書簡を発表。2030年までに生態系を回復に転じることや、野心的で実行可能な目標を採用し、有害な補助金を削減、ネイチャーポジティブに資する資金フローの実現、意思決定や情報開示に自然価値を統合することを求め、さらに生産と消費のフットプリントが生態系の閾値内に収まるようにすることを求めていた。すでに大企業から中小企業までで世界1,100社以上が署名している。

 今回のビジネス声明は、さらに政府への要求水準を引上げ、企業アクションの義務化までを求めたもの。署名機関は、ネスレ、ロシュ、ロレアル、セールスフォース、ユニリーバ、ディアジオ、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)、アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ)、リオ・ティント、グラクソ・スミスクライン(GSK)、シュナイダーエレクトリック、インディテックス、イベルドローラ、ケリング、エネル、オーステッド、ダノン、エンジー、ホルシム、H&M、RWE、DSM、マヒンドラグループ、タタ・スチール、ボルボ、プラダ、クローダ、ストラエンソ、ソルベイ、バーバリー、台湾セメント、セインズベリー、ロクシタン、ウィプロ、ヤラ・インターナショナル、イケア、テトラパック、アクサ、BNPパリバ、AVIVA、シュローダー、リーガル&ゼネラル、ラボバンク等。日本企業では、ソニー、NTTデータ、Zホールディングス、三井不動産、ANAホールディングス、電通、キリンホールディングス、サントリーホールディングス、明治ホールディングス、住友林業、USEN-NEXT、YKKが署名した。

 同声明では、2030年までに全企業と金融機関が、自然への影響と依存度を評価し、開示することを義務付ける要件を採択するよう、各国首脳に要請。自然を大切にする経済への転換は、2030年までに約4億人の雇用と年間10兆米ドル(約1,475兆円)の事業価値を創出するとし、堅固で義務的な規制の必要性を訴えた。

 またBusiness for Natureは、世界経済に最も重大なリスク3つのうち2つは、自然の喪失に関連するにも関わらず、自然資本の開示は規模も対応速度も不十分と警鐘を鳴らした。例えば、2022年にCDPで気候変動データを開示した企業は18,600社を超え、2021年比42%増加しているが、森林に関するデータを開示した企業は、1,000社強、水の安全性に関するデータでは、約4,000社に留まると指摘した。

 さらに、Business for Nature、CDP、Capitals Coalition(資本連合)の3者は、新たな報告書「Make It Mandatory: the case for mandatory corporate assessment and disclosure on nature」を公表。自然に関する評価と開示が義務付けられた場合、公正な競争の創出、説明責任の増強、投資家や消費者へのエンゲージメント、中小企業のサプライチェーン上での自然依存度の最小化支援、先住民や地域コミュニティの権利確保等に役立つと説明した。

 また同報告書では、現時点ではデータが不足しているため、企業が非効率で効果のない決定を下し、株主価値だけでなく自然界や自然に依存する地域コミュニティの価値も損なっていると指摘した。

【参照ページ】More than 330 businesses call on Heads of State to make nature assessment and disclosure mandatory at COP15
【署名機関リスト】Full list of signatories
【参照ページ】COP15 Opening: businesses call for greater policy ambition and action on nature

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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