世界経済フォーラム(WEF)は12月11日、非感染性疾患の改善のための医療従事者向けのデジタルツールに関して分析した報告書を発表した。
同報告書は、非感染症疾患の改善にデジタルツールを活用する機会を特定するWEFの「デジタルヘルス・アクション・アライアンス」と米保険大手マーシュ・マクレナン傘下のマーサー・マーシュ・ベネフィッツが作成したもの。医師や看護婦等の有資格者以外が基礎的な医療サービスを提供する「コミュニティ・ヘルス・ワーカー」1,000名以上を対象とした調査やデジタルヘルス・ソリューションのレビュー、実際の実施モデルの検証等から得られた知見をまとめた。
糖尿病や高血圧等の非感染性疾患は、全世界の死因の74%を占めており、医療需要が高まっている。一方、世界保健機関(WHO)の調査では、現時点で45億人が必要最低限の医療サービスを受けることができず、2030年までに中・低所得国を中心に1,000万人の医療従事者が不足すると予測しており、デジタルツール改善による支援が必要となる。
同報告書では、コミュニティ・ヘルス・ワーカーの80%はデジタルヘルスに関わっており、84%がデジタルヘルスの可能性を信頼している等の調査結果を報告。成功モデルとして、フィリピン農村部での糖尿病と高血圧管理のための新しいデジタルヘルスプログラムを紹介した。
同プログラムでは、対面及びバーチャルなヘルスコーチング、血圧や血糖値のモニタリング、医薬品の配達管理が1つのデジタルプラットフォームを通して実施。コミュニティ・ヘルス・ワーカーが同プラットフォームを活用し、医薬品の管理、対面指導の強化を行った結果、同プラグラムに参加した患者の89%の健康状態が改善した。デジタルツールにより既存の人的資本を効率的に活用し、健康成果を改善することが期待できると報告した。
【参照ページ】Digital Tools for Health Workers ‘Can Stem Growing Health Crises’
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