
英通信大手ボーダフォンは7月3日、顧客及び従業員に対し、親切かつ慈愛に満ちた態度で接する人工知能(AI)を活用し、迅速な対応を実現する企業は、顧客からの信頼を得る可能性が高いことが明らかになったと発表した。
今回の調査は、同社とロンドン・スクール・オブ・エコノミクスと共同で実施。10カ国で企業2,300社以上、顧客5,000人以上を対象に、企業自身が顧客から信頼されていると考えている度合いと、顧客が実際に感じている信頼度合いを調査した。
今回の調査結果では、信頼度合いは平均11ポイント差があり、顧客は企業が思っているほど企業を信頼しておらず、「トラスト・ギャップ」があると分析。これにより機会損失、失望した顧客、収益の損失等、事業パフォーマンスに実質的な影響を及ぼしていると指摘した。
トラスト・ギャップには、業界別での差分もある。例えば、ヘルスケア業界でのトラスト・ギャップは14ポイントで、小売、テクノロジー、公共サービスよりも悪く、専門サービス比では4倍近くギャップが大きい。一方、建設業や専門サービスのような一般的なB2Bビジネスでは、結果を約束する明確な契約条件があるため、信頼できる関係が比較的育まれていると分析した。
またレポートでは、企業は顧客の信頼を勝ち取る方法を考える際に、価値観の共有、人間性、一貫性の重要性を過小評価しているとも指摘。人間を第一に考え、顧客及び従業員に親切かつ慈愛に満ちた態度で接するAIを導入した場合、顧客の信頼スコアが16%上昇し、競争上の優位性を獲得できる可能性があるとした。
さらにボーダフォンは、すでにテクノロジーを活用し、迅速で信頼性の高いサービスを顧客に提供している企業群を「Fit for the Future」と定義。同企業群は、共通の価値観、人間性、一貫性の重要性に関して顧客と一致する傾向が約3倍高いと分析した。加えて同企業群は、商業的に成功しており、ESGスコアも高いことも特長とした。
【参照ページ】AI can significantly boost trust in businesses that deploy it in a human way, new international study reveals
【参照ページ】SHRINKING THE TRUST GAP
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