
英小売大手セインズベリーは7月1日、畜産場の動物福祉を測定・向上させるため、新たなAI獣医技術を小売業界として世界初導入したと発表した。英ノッティンガム大学からのスピンアウト企業で、酪農家畜の健康と福祉モニタリングツール開発を行うVet Vision AIと協働した。
今回の技術では、牛舎に設置された低コストで持ち運び可能なカメラとAIアルゴリズムを活用し、牛の行動パターンを分析。収集されたデータは、牛の福祉と健康状態を評価するために利用されるだけでなく、農家への飼育環境の改善提案のためにも活用する。
農場でのAIの使用は拡大しつつあるが、今回の技術は、病気や不調を見つけるだけでなく、牛が元気なときを特定できることが大きな特徴。24時間モニタリングにより病気を早期発見でき、獣医の治療行為の必要性を未然に防ぐこともできる。また健康な牛は生産性も高い傾向にあるため、従来と同様の飼料量でより多くの搾乳が期待できる。
同技術は現在、セインズベリー酪農開発グループ(SDDG)の畜産場30カ所で導入。2025年には対象畜産場を拡大することを目標としている。SDDGは、酪農家への支援を強化するために2007年に設立。セインズベリーのプライベートブランド(PB)牛乳商品を供給する酪農家約170世帯が加盟している。
【参照ページ】Making moo-ves: Sainsbury’s first retailer to milk the benefits of new AI “vet tech” to improve animal welfare and efficiency on dairy farms
【画像】Sainsbury’s
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく
ログインする
※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら