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【国際】VCMI、スコープ3でのカーボンクレジット活用でパブコメ募集。短・中期の削減加速狙う

 ボランタリーカーボン市場の国際ルール策定イニシアチブ「ボランタリーカーボン市場インテグリティ・イニシアチブ(VCMI)」は7月22日、検討している「スコープ3クレーム」ガイダンスについて、9月2日から10月7日までステークホルダーとの協議やパブリックコメントの募集を開始すると発表した。

 VCMIは2023年6月、カーボンクレジット使用の国際ルールとして「主張実践規範(Claims Code of Practice)」を策定。さらに同11月、短期及び中期を時間軸とし、企業が温室効果ガス排出量の削減のためにカーボンクレジットを積極的に活用するためのガイダンスとして「スコープ3フレキシビリティ・クレーム」の考え方を発表。2024年3月から同ガイダンスの改善について意見を募集してきた。

【参考】【国際】ICVCM、CCPラベルの取得申請開始。VCMI主張実践規範はCCPラベル取得を実質義務化(2023年9月17日) 【参考】【国際】VCMI、主張実践規範でスコープ3でのカーボンクレジット使用に上限設定へ。パブコメ募集(2024年3月4日)

 すでに発表されている考え方では、気候変動緩和のため、除去・吸収系のカーボンクレジット創出を大幅に拡大し、大気中の温室効果ガス濃度の引下げを進めることを狙う。既存のスコープ3削減に向けたアクションを緩めることなく、カーボンクレジットを今以上に創出するための手法の確立が鍵を握る。

 VCMIは原案では、主張実践規範のルールとして、2035年まではスコープ3排出量の50%を上限としカーボンクレジットの購入を促し、2035年以降は同概念を廃止するという案を提示している。これにより、長期的にはカーボンクレジットに依存せずにスコープ3の削減を進めることを前提にしつつ、短・中期ではカーボンクレジット市場の活性化を促し、気候変動緩和につなげようとしている。

 今回の協議やパブリックコメント募集は、同ガイダンスの完成に向け、再度慎重に在り方を議論するための実施するもの。ガイダンスの名称も「スコープ3フレキシビリティ・クレーム」から「スコープ3クレーム」に修正された。意見募集を踏まえたVCMIからの回答は2024年後半を予定。完成は2025年第1四半期を計画している。最終決定までには、VCMIのステアリング・コミッティによる正式な承認の他、VCIMの専門家諮問グループとステークホルダー・フォーラム・グループでの討議も実施される。

 スコープ3の削減の在り方については、科学的根拠に基づく削減目標イニシアチブ(SBTi)でも検討が進められており、間もなくパブリックコメントの募集が始まる。一方、VCMIは、同団体のパブリックコメント募集は、SBTiの議論は無関係としている。

【参照ページ】VCMI announces public consultation on beta Scope 3 Claim

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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