
カナダ炭素回収スタートアップ・スバンテ・テクノロジーズは8月15日、政府系投資ファンド「カナダ・グロース・ファンド(CGF)」から転換社債で1億米ドル(約145億円)の出資を受けたと発表した。
同社は、多孔性物質の有機金属構造体(MOF)を吸着剤に活用した炭素回収・除去技術を開発している。工場排ガスから効率的に二酸化炭素を補足するための機械構造も独自に開発しており、アーキテクチャーとして販売している。直接空気回収(DAC)での使用も可能。MOF吸着剤開発を進めるドイツ化学大手BASFとも提携している。
MOF吸着材は、セメント、石灰、鉄鋼、アルミニウム、肥料、パルプ・製紙、石油・ガス、水素プラントから排出される希釈排ガスに対して実効性が確認されている。使用しているMOFは、低圧蒸気を直接注入することで吸着率を引上げ、産業排出源から排出される二酸化炭素全体の95%を捕獲できるという。また、水を主体とした反応で、グリーンケミストリー原則を採用し、環境への影響も最小限に抑えている。
同社は現在、カナダのバンクーバーで新たな炭素回収・除去フィルター工場を建設する計画を進めており、総工費は1億4,500万米ドル。CGFからの出資では、最初の5,000万米ドルは、直ちに実行され、現在進行中のFOAK(First-of-a-kind)量産プロジェクトの加速とリスク軽減に使用される。2回目の5,000万米ドルは、両組織の承認を条件として実行され、カナダのプロジェクトを中心とした炭素回収プロジェクトの開発・建設に資金が限定される。
【参照ページ】Canada Growth Fund Invests US$100 Million in Svante
【画像】Svante Technologies
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