
世界経済フォーラム(WEF)は10月9日、金融インクルージョンで中国、インド、米国のケーススタディを発表した。清華大学PBC金融学院資産管理研究センターと共同作成した。
世界経済フォーラムは、個人と企業の双方での金融インクルージョンは、財務の安定、リスクマネジメント、経済危機への耐性の観点からレジリエンスにとって重要な施策とみている。今回のレポートでは、政策と企業イノベーションの2つの視点でケーススタディを紹介した。
政策では、インドのPMJDYと中国の中央銀行デジタル通貨(CDBC)を取り上げた。インドのPMJDYは、2014年に開始した国民一人ひとりが銀行口座を開設していくよう促す政策で、特に女性のエンパワーメントにつながっている。新型コロナウイルス・パンデミックでは、銀行口座を通じた給付金支給を迅速にできたことが評価された。中国のCDBCも、蘇州市で実施した政策実証で、同様に人民元ウォレットを通じ、多くの市民が銀行口座を開設することにつながった。
官民連携でも、中国のデジタル銀行が評価された。特に中小零細企業がデジタル口座を開設できるようになったことで、事業者での金融インクルージョンが進んだ。また中国は、資産運用のロボ・アドバイザーによって、多くの国民が資産運用を開始できたことも好事例とした。米国のケースでは、JPモルガン・チェースの研究として、アフリカ系やヒスパニック系は、住宅ローンの手数料が割増で課されている実態を発見。米国経済の課題を明らかにしたことが評価された。
今後の課題では、デジタル・デバイド、プライバシー&データセキュリティ、透明性と公平性に関する金融当局の監督強化の3つを挙げた。
【参照ページ】Global Financial Inclusion Practices: Case Studies from China, India and the USA
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