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【EU】プラットフォーム労働指令、成立。ギグワーカーの労働契約扱いに道

 EU上院の役割を担うEU加盟国閣僚級のEU理事会は10月14日、プラットフォーム労働指令案を可決した。同EU指令案はすでに欧州議会でも可決されており、同EU指令が成立した。

 プラットフォーム労働とは、組織または個人がオンラインプラットフォームを使用して他の組織または個人にアクセスし、特定の問題を解決する、または特定のサービスを有料で提供する雇用形態のこと。「ギグワーカー」とも呼ばれ、Uberがその代表格と言える。

 EUでは現在、プラットフォーム労働者が約2,800万人おり、2025年には4,300万人に達すると予想されている。主要業務には、タクシー運転手の他、配達、通訳、データ入力、ベビーシッター、介護者等がある。副業で行っている人も多い。雇用形態は、個人事業主による業務委託のケースが多いが、従業員と同等の働き方をしている実態もあり、労働権保護や社会保障が問題となっていた。

 今回のEU指令では、プラットフォーム労働者の労働条件改善のため2つのルールを設定した。まず、雇用形態の推定。プラットフォーム労働者の雇用形態は、EU加盟国で施行されている国内法、労働協約、慣行に従って雇用主による管理と指示を示す事実が認められる場合、業務委託契約ではなく労働契約と法的に推定されることを規定した。最終的な判断はEU加盟国政府に委ねられる。プラットフォーム事業者側が、当該推定を覆すことを望む場合には、労働契約でない旨の挙証責任を負う。

 もう一つは、人事管理のためのアルゴリズムの内容について労働者側に通知することの義務化。さらに自動化システムが有資格者によって監視され、労働者が自動化された決定に異議を申し立てる権利を有することも保証しなければならない。また、プラットフォーム労働者の感情や心理状態に関する個人データ、私的な会話に関するデータ、労働組合活動または潜在的な労働組合活動を予測するためのデータ、労働者の人種、民族、移民状況、政治的意見、宗教的信念、健康状態を推測するために使用されるデータ、認証に使用されるデータ以外の生体認証データの処理は禁止となった。

 プラットフォーム事業者側は、EU加盟各国当局に対し、当該業務を実施する旨を報告する義務も負う。これにより、各国政府は国内でのプラットフォーム事業行為について把握できるようになる。

 同EU指令は、EU官報掲載後に発効する。EU加盟国は、発効から2年以内に同EU指令の内容を国内法化する義務を負う。

【参照ページ】Platform workers: Council adopts new rules to improve their working conditions

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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