
国際農業開発基金(IFAD)と世界銀行は11月21日、国連気候変動枠組条約第29回バクー締約国会議(COP29)の場で、栄養改善のためのグローバル・アライアンス(GAIN)と協力し、食料システム変革のためのファイナンスをトラッキングするツール「食料システム・ファイナンスフロー(3FS)」の対象国を11カ国に拡大すると発表した。
3FSは、IFADと世界銀行が、米州農業協力機構(IICA)及び国連食糧システム調整ハブと協働する形で2023年に開発。今後、持続可能な食料システムを実現していくためには、年間で330億米ドルから3,500億米ドルもの資金が必要と見積もられており、進捗状況を測定していく。測定内容は、各国の公的ファイナンスと国際開発金融機関のファイナンス。さらに、企業、金融機関、機関投資家等の民間セクターのファイナンスも対象にしようとしている。
食料システムに関する支出では、「農業開発及びバリューチェーン」「食料システムインフラ」「栄養・健康」「社会的支援」「気候変動・天然資源」の5つで構成されている。
COP29では、農業・食料システムでの温室効果ガス排出量削減を野心的に推し進める宣言も発表され、27カ国・地域が署名している。同宣言は、100以上のNGOが共同作成したもので、3つの内容を、COP29議長国アゼルバイジャン、EU、経済協力開発機構(OECD)加盟国、中国に対して提出している。
- 農業食品システムに温室効果ガス排出量プライシング・メカニズムを導入することで、国または世界の食事ガイドラインに従った動物性たんぱく質の過剰摂取から脱却(Transition Away from)する」ことを盛り込む。
- EU欧州委員会、OECD諸国、中国に対し、農業・食料システムにおける温室効果ガス排出量プラシングの調和を主導するよう促す。
- 上記の温室効果ガス排出量プライシング・メカニズムから得られる収入の20%以上を、ロス&ダメージ基金の財源に充てるよう要請する。
同宣言に署名したのは、ナイジェリア、ウガンダ、チャド、赤道ギニア、コンゴ民主共和国、リベリアのアフリカ6カ国と、太平洋地域環境計画(SPREP)加盟の21の発展途上国・地域。
【参照ページ】IFAD, World Bank and GAIN scale up efforts to bolster transparency in food systems financing
【参照ページ】Coalition of 27 Countries and 100+ NGOs demand Just Climate Finance
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