
米国の反DEI(ダイバーシティ・エクイティ)・インクルージョン)活動家ロビー・スターバック氏は11月26日、ウォルーマートがDEI方針を大規模に撤回すると発表した。
今回の発表は、同氏のXアカウントで公表されたもの。同氏は、企業に対しDEI方針の撤回を要求するキャンペーンを展開し、順番に特定企業をターゲットにする手法を採っている。今回はウォルマートが狙われた形。同氏は、DEIを「ウォーク(Woke)」と呼称し、ウォークから米国企業の正気を取り戻すと叫んでいる。
同氏によると、同氏はウォルマートの経営陣に対し、「ウォークネス」を題材とした記事を書いていると伝達。その後、対話を続けたという。その後、ウォルマートが方針を大規模に撤回することを示し、同氏が公表するに至った模様。
すでに狙われた企業は、トラクター・サプライ、ジョン・ディア、ハーレーダビッドソン、ポラリス、インディアン・モーターサイクル、ロウズ、フォード、クアーズ、スタンレー・ブラック&デッカー、ジャック・ダニエルズ、デウォルト・ツール、クラフツマン、キャタピラー、ボーイング、トヨタ自動車等。同氏は今回のウォルマートの決定を「最大の勝利」と表現した。
【参考】【アメリカ】ハーレーダビッドソン、DEI方針を大幅撤回。数週間、SNSで保守派から攻撃(2024年8月21日)
ウォルマートが撤回したとみられるのは、
- アンケート調査:米人権NGOヒューマン・ライツ・キャンペーン財団(HRC)が実施しているLGBTQに対する差別撤廃評価「企業平等指数(CEI)」への今後の参加中止。
- 製品:マーケットプレイスを監視し、子供向けに販売されている不適切な性的商品やトランスジェンダー商品を特定、削除。
- 助成金:PRIDE等のイベントへの全ての資金提供を見直し、子供をターゲットにした不適切な性的コンテンツへの資金提供を防止。
- 公平性:5年間の特別アクションとして2020年に設立された人種公正センターの運営を終了。
- サプライヤ・ダイバーシティ:プログラムを見直し、ダイバーシティに基づくサプライヤーへの優遇措置やインセンティブを廃止。ノルマも廃止。ファイナンスの適格性審査では、特定の人口統計学的データの提供を求めることも廃止。
- LatinX:公式コミュニケーションで「LatinX」の用語使用を禁止。
- 研修:人種的公平性研究所(Racial Equity Institute)による人種的公平性研修を中止。
- DEI:「DEI」という用語使用を禁止。替わりに、全ての従業員と顧客のための「Belonging」の用語を使用。
同氏は今回、ウォルマートの決定を、他の小売大手であるアマゾンやターゲット等にも波及させたい意欲をみせた。また、小売最大手ウォルマートの方針転換は、160万人を超える従業員と多くのサプライヤーにも影響を与えるだろうとした。同氏は、反DEI活動に、月額5ドルでの募金登録も募っている。同氏のXフォロワーは現在71万人。
ウォルマートは、今回のスターバック氏の表明にコメントはしていないが、ホームページからは、すでに「DEI」の用語は削除され、「Belonging」に置き換わっている。
【参照ページ】Xポスト
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