
国際エネルギー機関(IEA)は12月18日、世界の石炭市場について分析した報告書の2024年版を発表した。2024年の石炭の需要及び生産量は2023年のピークを更新し過去最高を記録したが、成長率は減少傾向にある。
【参考】【国際】IEA、石炭2024中間報告。石炭需給は2023年に過去最高。2025年まで需要横ばい(2024年7月26日)
同報告書は、2024年の世界の石炭市場に関して需要、供給、貿易、価格の4つの観点で分析し2027年までの中期の市場予測を示したもの。2024年の石炭需要は前年比1%増の87.7億tとなり過去最高を記録する見通し。世界の石炭需要は2021年は7.7%増、2022年は4.7%増、2023年は2.4%増となり、成長率は鈍化傾向にある。
地域別では、中国の石炭需要は2024年に1%増加して49億t、インドでは需要の増加が5%を超え13億t。EUと米国では石炭需要は継続して減少しているが、減少ペースが鈍化。同地域の石炭需要は、2023年は23%と17%減少したが、2024年は12%と5%減少にとどまった。
2027年までの中期の需要見通しは、今後3年間で横ばいとなり2027年には約88.7億tに達する見込み。世界の石炭消費の3分の1は中国の発電所で消費されているが、2024年から中国は電力セクターの多様化を推進しており、原子力発電、太陽光発電、風力発電の拡大を実施。中国での石炭消費が横ばいとなるため、現在の水準に近い需要量を予測した。
(出所)IEA
同報告書では、需要見通しの不確実性についても言及。中国を含む世界の国々では、輸送、暖房等のサービスの電化、冷房需要の増加、データセンターの新設等、電力使用量が急激に増加している。加えて、気象パターンにより石炭消費量が変動する可能性があり、2027年までに中国の石炭需要は予測より最大1.4億t増減する可能性を示唆した。
その他の国については、まず、ほとんどの先進国では石炭需要はピークを迎えており、2027年まで減少し続けることを予想。減少のペースはEUのような政策、米国やカナダのように安価な天然ガス等の代替エネルギー源への切り替えなどに左右されるとした。
一方、インド、インドネシア、ベトナム等の新興国では、経済成長と人口増加に伴い電力需要が増加しており、石炭需要が増加し続けている。産業用途も増加しているが、主に電力セクターでの石炭需要により牽引されているとした。
石炭生産量は、石炭需要と同様に2024年に過去最高を記録、2027年まで成長は横ばいだとした。石炭価格は、2017年から2019年平均よりも50%高い状態が続いている。
石炭貿易量も、2024年に15.5億tとなり過去最高を記録する見込み。今後は、特に燃料炭が大きく減少することで貿易量は縮小する予測だとした。石炭の国際貿易の中心はアジアであり、輸入国の上位は中国、インド、日本、韓国、ベトナム等。輸出国はインドネシア、オーストラリアが含まれる。
(出所)IEA
【参照ページ】Global coal demand is set to plateau through 2027
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