
米ドナルド・トランプ大統領は1月10日、2025年3月12日以降、日本、韓国、EU、英国、カナダ、ブラジル、アルゼンチン、オーストラリア、メキシコ、ウクライナからの鉄鋼関連製品とアルミニウム関連製品の輸入に再び25%の追加関税を適用すると発表した。中国に関しては、すでに25%の追加関税が課されており、今回の措置では中国製鉄鋼が該当国を経由して米国ヘ迂回輸入される際にも高関税を課す狙いがある。
今回の大統領令は、合衆国法典第3編第301条、1974年通商法第604条、1962年通商拡大法第232条に基づく大統領権限として発動された。背景としては、第1期トランプ政権中の2018年1月に、商務長官が鉄鋼輸入が米国の国家安全保障を脅かしていると報告しており、2018年3月の大統領令9705で、鉄鋼輸入に25%の追加追加関税を導入したことを想起。その上で、第1期トランプ政権中とバイデン政権中に、日本、韓国、EU、英国、カナダ、ブラジル、アルゼンチン、オーストラリア、メキシコ、ウクライナとの個別交渉で関税を免除または調整していた措置を全て無効とし、再び25%の追加関税に戻すことを決めた。
同大統領令は、2018年3月の大統領令9705で、25%の追加関税を課した後、米国の製鉄稼働率は80%以上に上昇したと言及。一方、適用を免除や調整した国からの鉄鋼製品の輸入割合は、2020年の18.6%から2024年には20.7%に拡大し、アルゼンチン、ブラジル、韓国からは半製品の輸入も急増しているとした。それに加えて、中国の過剰生産により、市場が混乱し、米国への輸入が増大するとともに、その一部はブラジルを経由して米国に輸出されているとした。メキシコも同様に中国製鉄鋼を米国に迂回輸出している疑いがあると指摘した。
今回の措置では、鉄鋼とだけでなく、鉄鋼派生製品にも25%の追加関税を適用。メキシコ産鉄鋼には「溶解・鋳造要件」を適用し、迂回輸出にも関税を課す。これらの措置により、米国の鉄鋼消費に占める輸入の割合が2024年に30%に達していることを国家安全保障事項として扱い、国内製鉄稼働率80%以上を目指す。
今回の発表により、一度は延期となったカナダとメキシコの関税適用が鉄鋼とアルミニウムについては再び適用される。日本に関しても、日米首脳会談の直後に、関税引上げが発表された形となった。さらにトランプ大統領は、別途「相互課税」の発表も予告しており、相手国の品目関税率に合わせて、米国も関税率を引き上げる考え。
【参照ページ】Adjusting Imports of Steel into The United States
【参照ページ】Adjusting Imports of Aluminum into The United States
無料会員に登録すると、
有料記事の「閲覧チケット」を毎月1枚プレゼント。
登録後、すぐにご希望の有料記事の閲覧が可能です。
無料登録してチケットを受け取る
【無料会員向け】有料記事の閲覧チケットの詳細はこちら
または
有料会員プランで
企業内の情報収集を効率化
- 2000本近い最新有料記事が読み放題
- 有料会員継続率98%の高い満足度
- 有料会員の役職者比率46%
有料会員プランに登録する