
米ドナルド・トランプ大統領は2月21日、米国への海外直接投資(FDI)を促進しつつ、中国等の外国敵対勢力からの投資を制限するよう連邦政府機関の長に指示する国家安全保障大統領令(NSPM)に署名した。
今回の大統領令は、特に同盟国からの米国投資を拡大するため、客観的な基準に基づく迅速な「ファスト・トラック」プロセスを創設。また、米国への10億米ドルを超える投資には環境審査を迅速化する制度も設ける。但し、日本を含めた全ての外国からの企業買収等の投資は防ぐ。そのため省令される投資は、議決権や取締役会議席等を支配的に持たない出資や株式のみに限定される。
一方、米国への投資を規制する対象国として、中国(香港・マカオ含む)、キューバ、イラン、北朝鮮、ロシア、ベネズエラを指定。当該国からの重要技術、重要インフラ、個人情報等の機密に関わる米国企業への投資は、比例原則に応じて制限される。また、投資承認プロセスを迅速化する「緩和」協定も適用しない。1974年従業員退職保障法で義務付けられている受託者基準を見直し、外国敵対企業が年金制度に拠出する資格がないことも確保する。
中国に対しては、中国関係者が米国の重要な企業や資産を買い占めるのを阻止するための新たなルールを制定し、米国の利益に資する投資のみを許可するようにする。さらに、米国の企業や投資家が、中国の国家的な軍民融合戦略を推進する産業に投資すること制限することも阻止する。その一環として、年金基金や大学基金等が、中国のプライベートエクイティ、ベンチャーキャピタル、グリーンフィールド投資、上場証券への投資等に制限を課すことも検討する。1984年に締結した米中所得税条約の停止や終了も検討する。
機密施設に近い農地や不動産を保護する対米外国投資委員会(CFIUS)の運用強化も盛り込んだ。中国は全米27州で35万エーカー以上の農地を所有。外国の企業や個人は、米国の農地の約4,300万エーカーを所有しており、米国農地の約2%に相当している。
さらにトランプ大統領は同日、海外政府が米国企業に適用するデジタルサービス税(DST)、罰金、慣行、政策に対抗するため、関税等の対応措置を検討することも指示した。これにより、米通商代表部は、第1次トランプ政権中の通商法第301条に基づくDST調査を再始動し、DSTを利用して米国企業を差別する国を追加調査することとなった。
今回、追加調査の対象となるのは、「米国企業を差別する可能性のあるものも含め外国政府が米国企業に課している税」「米国企業の成長または意図された運営を阻害する可能性のある外国政府が米国企業に課している規制」「米国企業にその知的財産を危険にさらすことを要求する可能性のある、外国政府のあらゆる行為、政策、慣行」「米国企業の国際競争力を弱めるのに役立つ、外国政府のその他の行為、政策、慣行」の4つ。
USTRは、第1次トランプ政権では、英国、フランス、オーストリア、イタリア、スペイン、トルコのDSTを調査している。今回の大統領令では、これらの国の調査の更新と、カナダを新たに対象とする考えも示した。
【参照ページ】Fact Sheet: President Donald J. Trump Encourages Foreign Investment While Protecting National Security
【参照ページ】America First Investment Policy
【参照ページ】Fact Sheet: President Donald J. Trump Issues Directive to Prevent the Unfair Exploitation of American Innovation
【参照ページ】Defending American Companies and Innovators From Overseas Extortion and Unfair Fines and Penalties
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