
米ドナルド・トランプ大統領は5月23日、原子力規制委員会(NRC)の改革を指示する大統領令に署名した。原子力発電を重視し、18ヶ月以内に規制およびガイダンス文書を包括的に改訂するよう命じた。国内の原子力発電設備容量を2050年までに現状の4倍の400GWまで拡大する。同政策を「原子力ルネッサンス」と呼称した。
改革の骨子では、原子力発電のライセンス期間を制限する規制を再検討し、必要に応じてその期間を延長。原子炉の新設・運転許可の審査期間を18ヶ月、既存原子炉の運転継続許可の審査期間を12ヶ月とする等、許認可の評価・承認に一定の期限を設定する。
同大統領令では、原子力規制委員会は、安全、健康、環境要因のリスクに着目しているが、今後は、経済安全保障や国家安全保障に関するリスクも考慮するべきと指摘。そのため、国家環境政策法に基づく規制をは緩和。特に、現行の放射線被爆評価モデルには欠陥があるとし、科学的根拠に基づく放射線限度値を採用すべきとしている。その上で、国防総省やエネルギー省の所管の研究所で原子炉の安全試験を行えるようにし、当該研究所が設計承認した原子炉については迅速なプロセスを確立。マイクロリアクター及びモジュール型原子炉の大量認可のためのプロセスも整備する。
さらにトランプ大統領は同日、「ゴールド・スタンダード・サイエンス」を復活させる大統領令にも署名した。「ゴールド・スタンダード」の定義は、再現可能で、透明性があり、反証可能で、公平な査読を受け、エラーや不確実性が明確で、仮定に懐疑的で、協力的で、学際的で、否定的な結果も受け入れられ、利益相反がないものとし、思想に囚われず、科学的知見を重視すべきとした。トランプ大統領は、気候科学を含めた科学が偏った思想を持っているとみている。
【参照ページ】Fact Sheet: President Donald J. Trump Directs Reform of the Nuclear Regulatory Commission
【参照ページ】President Trump Signs Executive Orders to Usher in a Nuclear Renaissance, Restore Gold Standard Science
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