
米ドナルド・トランプ大統領は7月18日、米国ステーブルコイン国家イノベーション指針策定・確立法(GENIUS法)案に署名。同法が成立した。ドル・ペッグの決済型ステーブルコインに対する初の包括的な連邦法が誕生した。
同法は、ステーブルコインを発行できる事業者を、預金取扱機関(銀行等)の子会社、連邦認可非銀行事業者、州認可事業者(発行規模が100億米ドル以下の場合に州認可を選択可能)に制限。また、同等の規制が存在している国の事業者に関しても、発行が可能とした。
また、ステーブルコインの発行に際し、発行額と同額の米ドルや短期米国債等の裏付資産を流動資産として保有することを義務化した。保有状況は、月次開示を行い、当局の定期監査も受けなければならない。リハイポテーション(一時使用目的で資産を流用すること)も制限される。マネーロンダリング・テロ資金供与防止ルールも適用される。
消費者保護の観点では、「米国政府が裏付けている」「公的保険がある」等を主張することは禁止。発行者が破綻した場合には、利用者へのリデンプション権(交換・返金権)は他の債権者に対して優先される。
ステーブルコインの法的位置づけとしては、有価証券(SEC)、商品(CFTC)、預金ではないことも明確になった。監督は、連邦預金保険公社(FDIC)、連邦準備制度理事会(FRB)、通貨監督庁(OCC)が担当する。米国国立標準技術研究所(NIST)や関連機関と協力して相互運用性基準を策定し、安定的かつ効率的な利用を促進する仕組も整備する。
同法案は、6月17日に連邦上院で賛成68、反対30で可決。7月17日に連邦下院で賛成308、反対122で可決された。また同法は、18ヶ月後または規制が出揃った後120日以内に施行されることとされ、実際の施行は2027年1月から7月頃とみられている。さらに、既存の取引所やウォレット事業者には3年間の猶予があり、2028年7月までに同法の遵守が要求される。
一方、トランプ政権は、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の発行には否定的な立場を採っている。背景には、共和党支持者の間で、プライバシー保護や政府が金融資産を監視することへの懸念が強いことがある。
【参照ページ】Fact Sheet: President Donald J. Trump Signs GENIUS Act into Law
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