
経済協力開発機構(OECD)は7月30日、東南アジア10カ国と日本、中国、韓国の「ASEAN+3(APT)」におけるプラスチック使用と廃棄物の現状と将来を分析した報告書を発表した。現状の対策のままでは2050年までにプラスチック廃棄量が2倍に増え、環境への漏出も拡大すると警鐘を鳴らした。一方、地域で高い政策目標を掲げれば、プラスチック漏出量を最大95%削減できると伝えた。
同報告書によると、ASEAN+3は、世界のGDPの3割、プラスチック使用量でも3割を占めている。1990年から2022年にかけ、同地域のプラスチック使用量は約9倍に増え、1億5,200万tに到達。その半分以上が包装材などの使い捨て製品に使われている。自然環境へのプラスチックの漏出量は2022年に840万tとなり、世界全体の3分の1を上回った。
(出所)OECD
現状シナリオでは、2050年にはプラスチック使用量は2.8億tにまで増加。年間漏出量も1,410万tとなる見通し。リサイクル率は現在の12%から19%に改善すると見込まれるが、管理されない廃棄物量も増加し続ける。特にインドネシアやフィリピン等の低中所得国では、焼却や不法投棄が日常化しており、環境や健康リスクが深刻化している。
一方、プラスチック使用全体に網羅的かつ厳格な政策を導入する「High Stringency」シナリオでは、2050年までに、使用量が28%減、廃棄量が23%減、再生利用率が54%に上昇、環境漏出量が97%減となる見込み。経済影響も限定的で、域内全体でのGDPへの影響は0.8%にとどまる。但し、ASEAN諸国では最大2.8%のコスト増となるため、域内支援や国際協力が不可欠とした。
High Stringencyシナリオを実現するための政策としては、地方・農村を含むごみ収集網の整備、家庭での分別とリサイクル施設への投資、使い捨て製品の規制と代替素材の導入、インフォーマル廃棄物労働者の制度的統合、拡大生産者責任(EPR)制度の導入・拡充を提唱した。
【参照ページ】Plastic leakage could fall by more than 95% in Southeast and East Asia by 2050 with stronger policies
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