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【ヨーロッパ】欧州評議会、初のAI国際条約採択。人権、民主主義、法の支配への影響で義務

 欧州評議会は5月17日、加盟46カ国の外相が集う年次総会を開催。AIに関する初の国際条約「AIと人権、民主主義、法の支配に関する欧州評議会枠組条約」を採択した。条約加盟国政府の義務を定めた。

 同条約は、AIに関する既存の枠組みや政治的宣言を考慮して策定された。具体的に考慮されたのは、

  • 2019年採択の経済協力開発機構(OECD)のAI原則
  • EUのAI規則
  • アルゴリズムによるプロセスの操作能力に関する欧州評議会閣僚委員会宣言
  • アルゴリズム・システムの人権への影響に関する欧州評議会閣僚委員会勧告
  • 人権、民主主義、法の支配に対する人工知能の機会とリスクを検討し、AIシステムに適用すべき一連の中核的倫理原則を支持する欧州評議会議会決議及び勧告
  • 第4回欧州評議会首脳会議首脳宣言
  • 高度なAIシステムを開発する組織向けの広島プロセス国際指針及び高度なAIシステムを開発する組織向けの広島プロセス国際行動規範
  • 広島AIプロセスに関するG7首脳声明
  • 国連教育科学文化機関(UNESCO)のAI勧告
  • AI安全サミットでのブレッチリー宣言

 同条約の目的は、「AIシステムのライフサイクルにおける活動が、人権、民主主義及び法の支配に完全に合致することを確保する」こと。同条約の対象は、公的機関が開発もしくは企業に開発を委託するAIシステム。企業が開発するAIシステムについても、同条約の目的や趣旨に合致する範囲で、政府がリスクや影響に対処することを掲げた。一方、国家安全保障上に関するAIシステムに関しては、従来の国際人権法を遵守を前提として、同条約の適用を除外した。

 同条約の主な内容は、「人権保護」「AIシステムのライフサイクル内の活動に関する原則」「救済措置」「リスク及び悪影響の評価と緩和」の4つで構成されている。

 人権保護では、国際法や国内法で規定される人権保護を前提とし、AIシステムが、三権分立の原則、司法の独立、司法へのアクセス等の民主主義制度及び手続の完全性、独立性及び有効性を損なうことがないようにする。また、AIシステムのライフサイクル内の活動に関し、公的議論への個人の公正なアクセス及び参加並びに自由に意見を形成する能力等の自国の民主的プロセスを保護しようとする措置を採る。

 AIシステムのライフサイクル内の活動に関する原則では、AIシステムのライフサイクル内の活動に関し、人間の尊厳及び個人の自主性を尊重。AIシステムにより生成されたコンテンツの識別に関するものを含め、AIシステムのライフサイクル内の活動に関し、特定の文脈及びリスクに合わせた適切な透明性及び監視の要件が設けられていることを確保する。AIシステムのライフサイクル内の活動に起因する人権、民主主義及び法の支配に対する悪影響に対する説明責任や責任も確保する。

 加えて、AIシステムがライフサイクルで引き起こしうる差別の禁止、不平等の克服、プライバシーの保護、品質及びセキュリティの観点からの信頼確保も掲げた。安全なイノベーションを遂行する観点から、所管官庁の監督の下、AIシステムの開発、実験及び試験のための管理された環境が設置されることも推奨した。

 救済措置では、人権に重大な影響を及ぼす可能性のあるAIシステムや使用方法を文書化し、当該情報にアクセスする権限を有する機関に提供することや、影響を受ける者が入手または伝達されることを確保するための措置を採る。その上で、異議や苦情を申し立てる手続を整備する。

 リスク及び悪影響の評価と緩和では、「AIシステムのライフサイクル内の活動に関する原則」の観点から、人権、民主主義及び法の支配に対する実際及び潜在的な影響を評価する。その際には、ステークホルダーの視点、AIの使用目的、与えうる影響の重大性と可能性等を考慮しつつ、リリース時と大規模改修時にはテストの義務化も推奨した。障害者の権利や子どもの権利も考慮する。

 同条約には、欧州評議会加盟国及びEUのほか、同条約の草案起草に参加した非加盟国も加盟できる。また非加盟国にも加盟できるようにする決議を欧州評議会で採択することもできる。同条約は欧州評議会加盟国3カ国を含む5カ国が批准することが発効条件で、条件を満たしてから3ヶ月後以降の月の1日に発効する。

 加盟国は、同条約が掲げる義務を遵守するための国内機関を指定する必要がある。また、AIシステムに関連して提起された重要な問題に対しては、パブリックコメント及びマルチステークホルダー協議を通じ、正当に検討されることを確保する努力義務も負う。全ての国民が十分なデジタル・リテラシー及びデジタルスキルを習得できるようにすることも奨励される。

【参照ページ】Foreign ministers support Ukraine, define the organisation’s priorities and adopt a treaty on artificial intelligence 【参照ページ】Council of Europe Framework Convention on Artificial Intelligence and Human Rights, Democracy and the Rule of Law and its Explanatory Report

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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