
G7は5月23日から25日まで、イタリアのストレーザで財務相・中央銀行総裁会議を開催。5月25日に共同声明を発表した。
同声明では、重要かつ新興の技術に関し、サプライチェーンのレジリエントや多様化を促進していくことで一致。特に、中国を名指しし、過剰生産能力につながるものを含む非市場的政策及び慣行、並びに歪曲的政策に対処していくと表明した。具体的には、過剰生産能力の潜在的な悪影響を引き続きモニタリングするとともに、世界貿易機関(WTO)の原則に沿って、公平な競争条件を確保するための措置を検討していく。
イスラエルに対しては、2023年10月7日のはハマスによるテロ攻撃を避難しつつ、イスラエル政府は、不可欠な金融取引及び重要な貿易・サービスが継続するよう、イスラエルとパレスチナの銀行間のコルレス銀行サービスが維持されるために必要な措置を講ずることや、パレスチナ当局の緊急的な財政ニーズの観点から、清算を保留された収入を解放すること、ヨルダン川西岸地区の経済状況のさらなる悪化を避けるため、商取引に悪影響を与えている他の措置を撤廃あるいは緩和することを求めた。
AIに関しては、AIは生産性向上の新たな機会を提供するが、特に労働市場と金融安定に対し、ハーディング現象や外生的な金融ショックの頻度を増加させる可能性があると指摘。人間中心のアプローチを維持し、ウェルビーイングを向上させつつ、生産性と成長の向上にAIをどのように活用するかについての議論も進める。またマクロ経済の観点から、財政政策と金融安定への影響、労働力に求められる技術への影響、環境サステナビリティへの影響についても対処の方法を検討していく。
気候変動に関しては、国際通貨基金(IMF)、世界銀行、経済協力開発機構(OECD)が策定した「ネットゼロに向けた公正な移行(ジャスト・トランジション)のための政策オプション・メニュー」を歓迎。同文書が、「気候政策やグリーン投資の成長、生産性、及びイノベーションへの影響」「短期的な移行のコストに対処しつつ、長期的な脱炭素化を追求する際の数ある政策オプションの中で、カーボンプライシングの可能性の模索」「気候政策が与える分配面への影響」「気候行動の正当性及び政治的な受容性を促進する方法」「カーボンリーケージリスクの評価及び測定の向上、それらを緩和する方法を含む国際協力の促進」の5つに焦点を当てていることも強調した。
一方で、気候変動については、2023年の日本議長国時に盛り込まれていた「カーボンプライシング及びかかるプライシングによらないメカニズム並びにインセンティブを用いた政策の組み合わせ」という表現や、トランジションファイナンスに関する文言は削除された。
【参照ページ】7か国財務大臣・中央銀行総裁会議(G7)
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