
米労働省は5月28日、第5巡回区控訴裁判所での裁判の中で、前バイデン政権中の労働省が制定した改正エリサ法(従業員退職所得保障法)運用ルールを撤回し、新たなルールを制定する作業を「可能な限り迅速に進める」との意思を表明した。但し、具体的なタイミングはわかっていない。
【参考】【アメリカ】連邦地裁、ESG投資エリサ法解釈訴訟でバイデン政権ルール支持。最高裁までいく見通し(2025年2月20日)
エリサ法は、企業年金基金に対する規制内容を定めた連邦法。同裁判は、共和党州の26州連合が提訴。特に「タイ・ブレーカー基準」に関する解釈の無効を求める裁判となっている。
バイデン政権中の労働省は2021年10月、タイ・ブレーカー基準の解釈に関し、投資意思決定で気候変動を考慮することは、投資リスクを低減し、年金資産に対する長期的な経済リスクを軽減することで、ポートフォリオに有益な効果をもたらしうるとの立場を採用。また、個人の選択の範囲で、投資リターン以外の付随的利益に基づいて投資先や投資行動を選択してもよいことも明確にしている。
テキサス州北部連邦地方裁判所は、一審判決で、解釈余地のある法律条文については規制当局が解釈できるとする「シェブロン法理」を基に、バイデン政権中の労働省の解釈を適法とした。原告側は、それを不服とし、控訴している。
今回の労働省の表明は、控訴審の中で、最新の状況として裁判所に提出した書簡の中で示したもの。同省は4月、同裁判の中で、進行中の訴訟手続を30日間一時停止することも要請している。
また同省は同日、同じく前バイデン政権中の同省が制定した暗号資産を対象とした運用ルールについての変更も決定した。こちらの解釈に関しては、バイデン政権中の同省は、暗号資産を対象とした運用には「細心の注意を払う」よう命じていたが、これを撤回。中立的な立場に修正した。
【参照ページ】Compliance Assistance Release No. 2025-01
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