
東レは6月9日、サウジアラビアのダンマームに、水処理膜から水処理プロセスまで一貫した水処理技術サービスを提供する施設「中東水処理技術センター(MEWTEC)」を新設したと発表した。中東・アフリカ及びその周辺地域における水処理ソリューションの高度化を目指す。
同社は、2050年に目指す世界を示した「東レグループ・サステナビリティ・ビジョン」や、持続的かつ健全な成長の実現に向けた長期経営ビジョン 「TORAY VISION 2030」 の中で、安全な水の提供を重要課題として掲げている。
同施設では、中東・アフリカ及びその周辺地域における水需要の急速な拡大に伴い、産業や都市インフラにおける廃水再利用と海水淡水化の高度化ニーズに応え、同社の技術力をタイムリーに現地で発揮できる体制を構築し、ソリューション開発を主導することが目的。同社の中東拠点であるToray Membrane Middle East(TMME)の敷地内に建設され、2025年4月から稼働を開始した。
同施設の設立により、同社が重視する納入後の迅速かつ専門的な技術サポートを一層充実させ、顧客との信頼関係の強化と長期的なパートナーシップの構築を促進する。
同施設の特徴は、「分析・評価設備の強化」「実機規模パイロット装置の導入」「水処理膜製品やその先端技術を体感する機会の創出」「オープンラボによる産官学連携の強化」の4つ。
- 分析・評価設備の強化:最新の水質分析装置や水分子のみを通すRO膜評価機器を導入。顧客から返送された膜モジュールの解体調査や、運転水質の詳細分析を通じて、原因特定と改善提案を迅速に行う。
- 実機規模パイロット装置の導入:RO連続評価システムを新設し、顧客の処理水条件に則した最適な運転設計や、膜の長期性能を現地で実証する。
- 水処理膜製品やその先端技術を体感する機会の創出:製品展示エリアやワークショップスペースを備え、現地オペレーターや技術者へ同社の水処理膜製品及びその技術を体験できる機会を提供する
- オープンラボによる産官学連携の強化:大学・研究機関・顧客企業との技術連携を推進するため、共同実験や研究開発の場を提供する。中長期的には、中東地域における水処理技術の発展にも寄与することを目指す。
【参照ページ】サウジアラビアに中東水処理技術センターを新設-中東・アフリカ及びその周辺地域における水処理ソリューションのさらなる高度化へ-
【画像】東レ
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