
日本と東南アジア、オーストラリアの全11カ国は10月18日、マレーシアのクアラルンプールで、アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)第3回閣僚会合を開催。共同声明を採択した。
アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)の加盟国は、日本、オーストラリア、シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア、ベトナム、フィリピン、カンボジア、ラオス、ブルネイ。AZECは、欧米とは異なるアジアの「エネルギートランジション」を打ち出すため、岸田文雄首相が2022年1月に創設構想を発表。1年以上をかけ2023年3月に第1回会合が開催された。
採択された共同声明では、1.5℃の道筋に整合する形で、温室効果ガスの排出量を「大幅に、迅速かつ持続的に削減することが緊急に必要」との認識で一致。、「AZEC原則」の価値を認識し、気候変動対策、包摂的な経済成長の促進、エネルギー安全保障の確保を同時に実現するという「トリプル・ブレークスルー」の達成を強調した。
特に今回の閣僚会合に向けては、東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)内のアジア・ゼロエミッションセンター(AZEセンター)が「AZEC進捗レポート」を発行。エネルギーと気候変動の潮流、再生可能エネルギー、ゼロエミッション火力発電、原子力発電、送配電網、陸上交通、航空、海運、バイオ燃料、水素・アンモニア、自動車、工業団地、トランジションファイナンスのAZEC各国での進捗状況をレビューした。例えば、AZEC諸国の多くでは火力発電割合が高く、エネルギー転換を加速していくことが必要と伝えた。また、共同声明では、国際エネルギー機関(IEA)に対し、AZECの基本原則に基づく「協力強化のためのエネルギー移行レビュー」の実施を要請した。
また、アジア開発銀行(ADB)、ERIA、経済産業省による共同報告書「ASEANの排出削減が困難なセクター及び多排出セクターの脱炭素化に向けて – トランジション・ファイナンス、技術、政策アプローチ」も公表され、技術及び金融の両面における国際協力の機会を再確認した。
送配電網に関しては、ASEAN内の国境を越えた海底電力ケーブルや陸上送電線の開発促進を含め、ASEANパワーグリッドの実現に向けて相互に利益をもたらすASEAN内の多国間電力取引における協力を追求することも盛り込んだ。
【参照ページ】武藤経済産業大臣がマレーシアに出張し、マレーシア政府と共同で第3回AZEC閣僚会合を開催しました
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