米財務省通貨監督局、連邦準備制度理事会(FRB)下の消費者金融保護局、ロスアンゼルス市政府当局は9月8日、米銀行大手ウェルズ・ファーゴ銀行の従業員が顧客情報を無許可で利用して預金口座やクレジットカードを不正に作成し売上を水増ししていた問題で、同社に対して1億8,500万米ドルの民事制裁金を支払うことを命じた。金額の内訳は、消費者金融保護局に1億米ドル、通貨監督局に3,500万米ドル、ロサンゼルス郡及び市に5,000万米ドル。発表当局によると、同銀行従業員は、売上を水増しするため、不正に顧客口座を新規開設し、本来の口座から無許可で当該新規口座に預金金額を移転させ送金手数料を支払わせる操作をしていたという。
当局の捜査によると不正に開設された口座の数は200万件以上。同行はすでに、5年に渡る不正に関与した全行員の1%に当たる従業員と管理職約5,300人を解雇する措置をすでに発表している。当局調べでは不正業務を働いた従業員に対して部署から報奨金を支払う組織的な関与も認められたという。同行の第三者機関の調査によると、顧客に対して2,600万米ドルの返金が必要。すでに全体の1%ほどにあたる顧客には平均1件につき25米ドルの返金が行われている。同行は上記の民事制裁金以外にも総額500万米ドルと見積もられる顧客への損害賠償を全額支払う姿勢を示している。
米国では企業不正に絡む司法措置に対し、一般的に司法取引と呼ばれる裁判外処理で解決されることが多い。今回のケースでも、同行が積極的に行政当局の捜査に応じ、決められたガイドラインに則り行政当局と同行の間で制裁金額の合意に達し、公式な裁判を待たずして事態の収拾がなされた。
【参考ページ】Wells Fargo fined $185M for fake accounts; 5,300 were fired
【参考ページ】Wells Fargo fined $185 million for transferring customers’ money into more than 2 million phony accounts
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