世界経済フォーラム(WEF)は1月15日、1月22日から開催される年次総会(通称ダボス会議)に向け、「グローバルリスク報告書2019」を発表した。世界経済フォーラムは毎年ダボス会議のタイミングに合わせてこの「グローバルリスク報告書」を発表しており今回が14回目。
報告書の作成では、まず世界経済フォーラムの専門家メンバー約1,000名に対し、アンケート調査「Global Risks Perception Survey(GPRS)」を実施し、その結果をもとに集計を行っている。調査票には、30のリスクが挙げられており、それぞれのリスクについて今後10年での発生可能性と負のインパクトの2つの観点について回答が求められる。集計と分析はマーシュ・アンド・マクレナン・カンパニーとチューリッヒ保険グループが担当している。
今回の報告書で最も発生可能性が高いとされたリスク
- 異常気象
- 気候変動緩和・適応への失敗
- 自然災害
- データ詐欺・データ盗難
- サイバー攻撃
今回の報告書で最も負のインパクトが大きいとされたリスク
- 大量破壊兵器
- 気候変動緩和・適応への失敗
- 異常気象
- 水の危機
- 自然災害
発生可能性に関するランキングでは、「異常気象」が3年連続で1位。さらに昨年5位の「気候変動緩和・適応への失敗」が2位に上がり、3位の「自然災害」とあわせ、気候変動リスクが上位3位を独占した。また「データ詐欺・データ盗難」が「サイバー攻撃」を抜き4位となり、情報セキュリティに関する項目も強く意識されている。
一方、インパクトに関するランキングでは、5位までの顔ぶれは昨年度同じ。1位は3年連続「大量破壊兵器」で、トップ5の中では、「気候変動緩和・適応への失敗」が4位から2位に、「水の危機」が5位から4位に上がった。
2010年までは、グローバルリスクの中でも経済や金融リスクが上位をほぼ独占していたが、2011年以降はそれ以上に環境リスクや社会リスクが上位を占めるようになってきた。今回も金融危機等の経済リスクは順位が下がった。一方、文化起点の政治リスクについても関心が上昇してきている。
【レポート】The Global Risks Report 2019
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