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【国際】企業・機関投資家団体FCLTGlobal、自社株買い乱用に警鐘。長期経営重視の慎重姿勢要請

 長期志向経営推進イニシアチブの米FCLTGlobalは10月6日、株価を浮揚させ、株主リターンを向上させる策としての自社株買いについて、長期志向経営の観点から考慮すべき一定の条件があり、安易な自社株買いは自制すべきとする提言をまとめたレポートを発表した。

 今回のレポートをまとめたのは、FCLTGlobalの加盟企業。現在の加盟企業は、ブラックロック、ステート・ストリート、フィデリティ・インベストメンツ、シュローダー、アバディーン・スタンダード・インベストメンツ、Nuveen、ナティクシス、ニューバーガー・バーマン、ブリッジウォーター、Federated Hermes、バークレイズ、カーライル、ブラックストーン、ワシントン州投資理事会、テマセク・ホールディングス、ニュージーランド・スーパーファンド、Generation Investment Management、ナスダック、ブルームバーグ、MSCI、香港金融管理局、ウォルマート、ユニリーバ、ダウ、DSM、タタ、シスコシステムズ、マッキンゼー、EY、KPMG、エデルマン、サリヴァン&クロムウェル等。

 同レポートでは、21世紀に入り、配当だけでなく自社株買いが株主への利益還元策として活用されることが増え、2019年だけで世界全体で1.2兆米ドル(約130兆円)が自社株買いに投じられたと説明。一方で、自社株買いは、イノベーション投資の減退や所得格差の助長という悪影響をもたらしているとする指摘が、大学教授や政治家からも出ていることに言及した。

 その上で、FCLTGlobalとして、自社株買いに関する「落とし穴」として、取締役や経営陣が自身の役員報酬引き上げのためにEPS目標達成のために活用することや、従業員のインサイダー取引として活用されること、社会のサステナビリティに向けた長期投資を損なわせること、株価が割高なタイミングで自社株買いをしてしまい企業財務を傷つける可能性があること、自社株買いのための借入で自己資本比率を悪化させること、の5つを挙げた。

 また、適切な自社株買いを実行するための条件としては、企業の長期計画と整合性のあること、流動性バッファーが適正値であること、R&Dや人材、設備投資に必要な追加投資を実施することの3つを提示した。

 加えて、これらの条件を重視するために、株主や取締役に対しては、自社株買いによるROIが、将来投資によるROIを上回っているかを確認することや、役員報酬引き上げのために乱用されていないかの監視を求めた。また規制当局に対しては、自社株買いに適用されている税制優遇の見直し、情報開示の強化等を求めた。

【参照ページ】The Dangers of Buybacks: Mitigating Common Pitfalls

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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