スウェーデンの小売り大手H&Mグループは12月21日、Eコマースの配送に、紙資材を用いた梱包を試験的に導入したと発表した。ホリデーシーズンや新型コロナウイルス・パンデミックの影響でEコマースの需要が急増しているなか、プラスチックから再利用可能な紙資材へ切り替え、梱包のニューノーマル確立を目指す。
アパレル業界では、ハンガー、商品タグ、ポリエステル等の合成樹脂、使い捨ての買い物袋など多くのプラスチックが使用されている。また、Eコマースに関しては、配送時の梱包において、商品を保護しながらをその後のゴミをいかに減らせるかが課題となっていた。
そこでH&Mグループは今回、認可された紙素材を使用した新たな梱包を試験的に開始した。オランダ、英国、スウェーデン、中国、ロシア、オーストラリアを対象に、COS、ARKET、MONKI、Weekdayブランドの買い物をした利用者への配送を紙資材の梱包で対応した。今後、徐々に対象範囲を拡大する予定。2021年初旬には、&Other Storiesも対象ブランドに追加する。
同グループは、2025年までに、プラスチックのパッケージを2018年比で25%削減する目標を掲げている。これは、サーキュラーエコノミー推進の英エレン・マッカーサー財団が2018年に発足した企業・政府の海洋プラスチック対応イニシアチブ「New Plastics Economy Global Commitment」、ファッション産業の環境負荷低減に向けた国際的枠組み「THE FASHION PACT」、英環境NGOグローバル・キャノピーのイニシアチブ「Pact4Good」と同等の内容。
H&Mグループは、今回のアクションについて、物流サプライチェーン全体での使用削減等、他にも実施すべきことはたくさんあるものの、梱包資材をプラスチックから紙に置き換えることで長い道のりの大きな一歩を歩みだすことができたと述べている。
【参考】【国際】プラスチック対応の国際イニシアチブ「Global Commitment」初の報告書発表。日本企業の署名1社のみ(2019年03月17日)
【参照ページ】Testing a new normal for packaging
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