大手グローバルホテルチェーンのヒルトン・ワールドワイドは、 10月13日、2013-2014年の企業責任報告書を発表した。同社が企業責任報告書を発行するのはこれが3度目で、2013年12月のNYSE(ニューヨーク証券取引所)への再上場以降では最初の報告書となる。
同報告書はヒルトン・ワールドワイドのCR戦略であるTravel with Purposeで掲げられている下記4つの重点分野に焦点をあて、現在の進捗状況を報告している。
- Creating opportunities(機会の創造)
- Strengthen communities(地域社会の支援)
- Celebrating cultures(文化の尊重)
- Living sustainability(持続可能な暮らし)
同報告書の発行にあたり、ヒルトン・ワールドワイドのCEOを務めるChristopher J. Nassetta氏は「2013年はヒルトン・ワールドワイドにとって大きな飛躍の年となった。この勢いを基盤とする中で、我々はこの成長を責任ある持続可能な形で実現する必要性を心に留めている。Travel with Purposeは、我々の事業だけではなく、我々が暮らし、働き、旅をする地域社会にも利益をもたらす形で当社を成長させるための指針だ。私は我々が実現した進歩を誇りに思う。将来の目標達成に向けてこの進歩を継続していくつもりだ」と語った。
報告書内に記載されている主な進捗達成状況は下記の通り。環境面の取り組みから若者支援、人権に関する取り組みまで幅広い。
- 2009年以降でエネルギー排出量を13.6%、炭素排出量を20.2%、廃棄物を26.8%、水消費を13.1%削減。
- ホテル・ポートフォーリオ全体としてISO50001エネルギー管理システム認証を取得。グローバルのシステム全体として同認証を受けた初めての多国籍企業の一社となる。
- 若者の潜在能力を最大限に引き出す支援をすることで2019年までに少なくとも100万人の若者に影響を与えるというグローバルな”Open Doors”コミットメントを発表
- 若者に関する課題、資金調達、プログラムを前進させるために利用する政府、企業、市民社会に向けたツールGlobal Youth Wellbeing Indexを立ち上げ
- Careers@HiltonLiveの一部として600以上のキャリア啓発イベントを開催、世界中の若者73,000人以上と接触
- 2013年のOperation: Opportunityの開始以来、2,000人以上の米国の退役軍人およびその家族を雇用
- 自社の行動規範研修を通じ、児童人身売買に関する意識向上に向けた研修を約2000人の管理職および部門責任者、45,000人以上のチームメンバーに実施
- Global Week of Service の期間中、2,400近くの世界的なプロジェクトを実施、20万時間のボランティアで貢献
- カーボン・ディスクロージャー・プロジェクトに参加
- Living Sustainably環境啓発キャンペーンで700以上のホテルを支援
ヒルトン・ワールドワイドの企業責任担当副社長は「企業責任とサステナビリティは我々の長期的な事業戦略の重要な部分だ。世界中のチームメンバーとフランチャイズパートナーあが若者に新たな機会をもたらす地域レベルの解決策を推進するために取り組んでいることを誇りに思う。それらは責任あるサプライチェーンの発展、希少な天然資源の保全、また文化理解、人権の支持につながっている」と語った。
近年ではホテル業界でもサステナビリティの取り組みが進んでいる。ホテルは施設の設備運営や旅客の移動に伴う環境負荷や、提供する食事のサプライチェーン課題、ホテルが存在する地域社会にいたるまで、幅広いサステナビリティ課題を網羅する必要がある。また、同業界はブランドと信頼性が非常に重要な業界でもあり、快適さ、特別さといったラグジュアリーの価値とサステナビリティという2つの価値を両立させるべく先進的な取り組みを展開する企業も多く、他業界にとっても参考になる。
ヒルトン・ワールドワイドの企業責任報告書は下記から閲覧可能。
【CR報告書ページ】TRAVEL WITH PURPOSE
【企業サイト】Hilton Worldwide
(※写真提供:Tupungato / Shutterstock.com)
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