ケニアでは、コーヒー農園の仕事の70%を女性が担っている。しかし、その割合とは裏腹に、ほとんどの女性は自身の農地や苗木を所有することができず、家族内の男性が所有しているのが現状だ。そのため、女性の多くは農業組合に参加することができず、結果として彼女らの労働に見合った報酬を得ることができないでいる。
しかし、英国に拠点を置くフェアトレード基金のFairtrade Foundationによれば、女性が家計の管理をした場合、健康・教育・投資などの広範囲に渡りコミュニティにとっての好影響がみられるという調査結果があるという。
これを受け、Fairtrade AfricaおよびFairtrade Foundationは1月5日、ケニアの女性自立支援を目的として共同で3年間の” The Growing Women in Coffee”プロジェクトを開始すると発表した。今後、ケニアのコーヒー農園で働く数百以上の女性の自立を援助すると同時に、国内外の市場に向けて”women’s coffee”ブランドを展開する。
“Growing Women in Coffee”プロジェクトの具体的な取り組みは以下の通りだ。
- 150名の女性農家に対して農園の所有権を移行し、独立して収入を得られるようにする
- 既に所有権を譲り受けた300名の女性に対して収穫量増加やコーヒーの質向上に向けた新たな農法のトレーニングを実施する
- バイオガス発電設備を女性の家に設置することで、薪の煙を直接吸う被害や薪の採取時間を軽減する
同プロジェクトで生産されたコーヒーはフェアトレード認証の”women’s coffee”としてケニアをはじめ他の市場にも売り出される予定で、東アフリカ全体のフェアトレード製品の発展への寄与も期待されている。
ケニアなどの開発途上国では、未だ女性が十分に社会参加できないことが多い。しかし、今回のような取り組みにより地道に成功を積み重ねていくことで、人々の意識が変わり、女性が活躍できる地域が増えていくはずだ。
【参照リリース】BIG LOTTERY FUND HELPS FAIRTRADE TO LAUNCH WOMEN IN COFFEE PROJECT
【参考サイト】Grown by women: the Kenyan coffee co-ops empowering female farmers
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