世界の企業はサステナビリティの事業戦略上の重要性を高く認識していることが明らかになった。英国のCSR情報提供大手、エシカル・コーポレーションは4月20日、同社として初となる、世界のサステナビリティを取り巻く環境についてまとめた分析レポート、"State of Sustainability 2015"を公表した。同レポートは世界1,500名以上のサステナビリティ担当者や専門家らに対するヒアリング調査に基づき、サステナビリティに取り組む企業の実態に関する詳細な分析をまとめたものだ。
同レポートによると、企業回答者の89%はサステナビリティが事業戦略の一部として重要性を増してきていると認識しているほか、88%はサステナビリティの文化を創ることは「重要」もしくは「とても重要」だと認識していることが分かった。
また、社内でサステナビリティ活動を推進している組織の構成については、全回答者の54%がサステナビリティ担当部署は直接役員レベルまたはCEOをレポートラインに持っているとしたほか、57%が10名以下のチームで構成されていることが分かった。
さらに、サステナビリティ活動による成果については、全回答者の67.5%はマーケティング・コミュニケーションが最もインパクトを与えるとしており、サステナビリティは既に自社の売上に貢献していると回答した割合も49%に達した。
一方で、同レポートでは企業がサステナビリティを推進するにあたってのいくつかの課題も提示している。企業回答者の41%は現状自社のサステナビリティ戦略について外部からの有料アドバイスを受けていないと回答しており、年間250万米ドル以上のサステナビリティ予算を持つ企業は全体の9%にとどまった。
また、サステナビリティの投資対効果を測定していると回答した企業も39%にとどまり、自社はサステナビリティの持つ可能性を最大限に引き出していると回答した企業も21%しかいなかった。なお、サステナビリティを取り巻く将来の展望については、回答者の30%が、今後5年間でサステナビリティは競合優位性を獲得する最大の源泉となると考えていることが分かった。
同レポートは今後毎年発行される予定で、世界のサステナビリティに関する次年度に向けた課題や傾向を明らかにしていくという。世界を取り巻くサステナビリティの概況を理解する上で同レポートは非常に役に立つ。興味がある方はぜひ下記から確認してみてほしい。
【レポートダウンロード】State of Sustainability 2015
【企業サイト】Ethical Corporation
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら