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【国際】エネルギー・トリレンマの重点は2020年までにサステナビリティに移行。PwC調査 2015/06/20 最新ニュース

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 グローバルコンサルティングファームのPwCは5月20日、電力・エネルギー企業を対象とする意識調査”A different energy future“を公表した。同調査では、今年の12月に開催予定の国連気候変動パリ会議(COP21)における国際的な合意により、エネルギー業界の関心は今後5年間で再生可能エネルギー、クリーンテクノロジーといったサステナビリティ分野にシフトするとしている。

 同調査は「安定供給」「コスト」「サステナビリティ」というエネルギー・トリレンマに対するエネルギー企業らの意識を調査したものだ。調査対象となった企業らはかつてないほどに強力な気候変動合意がなされると予期していることを明らかにしている。エネルギーのトリレンマのうち、サステナビリティ・クリーンエネルギーへ重点を置く割合は現在の61%から今後5年以内に81%へと上がるとのことだ。

 多くのエネルギー企業にとっては「安定供給」が依然として最大の優先事項となっているものの、次の関心は「コスト」から「サステナビリティ」へとシフトしつつある。その変化の割合は南米で最も高く、54%から83%に上昇し、アジアは最も低いもののそれでも55%から66%まで上昇するという。

 一方で、報告書では、エネルギーの移行は長期的な変化への適応の困難さだけではなく、電力システムに対する直近のリスクに関する懸念も増えるため、世界の電力企業らはエネルギー移行が困難だと主張している点を指摘している。

 同調査は、エネルギー業界は問題に取り組もうという意思があるものの、それをどのようにすれば解決できるかが見えていないという現状を映し出している。例えば、技術革新のような重要課題の場合、企業の多くはそれを実現する(25%)ことよりも、効果的に対応できるように試行錯誤している(38%)という。今後、エネルギー業界のサステナビリティ戦略がどのようになるかについてのエネルギー企業らの見通しは下記の通りだ。

  • 北米の43%、ヨーロッパの35%が、現在の電力会社のビジネスモデルは既に崩壊しており、喫緊の変革が必要だと考えている。
  • ビジネスモデル変革の緊急性はそれほど高いと考えられていない。回答者の71%が現在のビジネスモデルはサステナビリティがないと認めている一方で、変革は徐々にしか起こりえないと考えている。
  • 回答者の58%が、業界は銀行の融資撤退、破壊的な技術革新、消費者の行動などにより「下落」または「死のスパイラル」に直面する可能性が中程度もしくは高いとしている。

 上記からは、現状に対する高い危機感と、エネルギー移行において現実的に立ちはだかる壁の間で苦しんでいるエネルギー企業らの姿が覗える。

 また、同報告書は2020年までの5年間において電力業界が直面しているほぼ全てのリスクに対して懸念が増すとしている。企業らは規制の不確実性に対するリスクや投資を惹きつける難しさのリスクなど以外にも、企業は精巧なサイバーアタックや燃料の入手可能性・供給リスク、停電、大気汚染といった様々なリスクを警戒しているという。

 PwCの調査は、エネルギー業界が抱えるトリレンマのうち「サステナビリティ」の重要性に対する認識は高まりつつあるものの、そのための手立てについては能動的な解決策を未だ見つけきれておらず、変化スピードを高めきれていないエネルギー企業の現状を示している。レポートは下記からダウンロード可能。

【レポートダウンロード】A different energy future
【参照リリース】Energy trilemma emphasis shift towards sustainability by 2020
【企業サイト】PwC

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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