ハイアット・ホテルズ・コーポレーションとハイアット・ホテルズ財団は7月10日、ハイアットグループの従業員および地域社会の人々に対する学習支援の一環として、MOOCs(大規模オンライン教育講座)大手のカーン・アカデミーと複数年のパートナーシップを締結すると発表した。カーン・アカデミーがホスピタリティ業界の企業と提携するのは今回が初めてのケースとなる。
今回の協働により、ハイアットはカーン・アカデミーが提供する無料の多言語オンライン学習プラットフォームを同社の従業員およびその家族、地域社会の人々に提供する。両者は今回の協働により、社会・経済的に不利な環境下にある人々とそうでない人々とのスキルギャップを解消することを目指している。ハイアットらは、このギャップ解消のためには学習に最適な物理環境とデジタル環境の双方を用意する必要があるとしている。
ハイアットおよびカーン・アカデミーは、来年にオンライン、オフラインの双方でプロトタイプとなるプログラムを実施する予定だ。ハイアットは世界中の全従業員およびその家族に対してカーン・アカデミーの学習プログラムを提供するほか、2016年の始めにはシカゴ中のハイアット系列ホテルに学習ラボを設置し、宿泊客や地域の人々に対して財務・会計リテラシー、経済・コンピュータプログラミングなどカーン・アカデミーのプログラムの提供を開始する。複数年のパートナーシップを通じ、同プログラムはその後世界中の年に拡大される予定だ。
また、カーン・アカデミーは自身の学習コンテンツ作成ノウハウをハイアットに共有し、ホスピタリティ業界でキャリアを築くうえで求められるスキルの育成に特化したオリジナルコンテンツの作成を支援する。
今回の提携発表にあたり、ハイアット・ホテルズ・コーポレーションのCEOを務めるMark Hoplamazian氏「我々の仕事は、人々が最高の状態でいられるようにもてなすことだ。そしてその大部分には、従業員だけを支援するのではなく、地域社会の人々を支援し、彼らの可能性を最大限に引き出すということも含まれる。カーン・アカデミーは誰に対してもその人が求める知識を提供してくれる革新的な力であり、カーン・アカデミーと協働することで、我々は世界中の人々にスキルを教え、生活を変えることができる」と語った。
スキル開発や福利厚生の一環として従業員向けの教育プログラムを充実させている企業は決して少なくないが、ハイアットの場合は従業員だけではなくその家族、そして宿泊客や地域社会の人々に対しても学習機会を提供し、社会全体に対して利益をもたらすことを目指している。ホテル経営には地域との密接な関わりが不可欠だが、その意味で今回のプログラムは価値がある取り組みと言えそうだ。
【参照リリース】Hyatt to Partner with Khan Academy to Bring Open-Source Global Learning to Colleagues and Communities
【企業サイト】Hyatt Hotels Corporation
【参考サイト】Khan Academy
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