BSCI(Business Social Compliance Initiative)はブリュッセルに本拠を置くNPOで、FTA(Foreign Trade Association)のイニシアティブとして2003年に設立されました。BSCIの参加企業はFTAのメンバーでもあり、「自由な貿易。持続可能な貿易」というFTAのビジョンを共有しています。現在1500社以上が参加しています。
BSCI行動規範
BSCI参加企業は、サプライチェーン上のビジネスパートナーと共に、BSCIの行動規範を実行することが求められます。BSCI行動規範は、世界人権宣言、子供の権利とビジネス宣言、ビジネスと人権に関する指導原則、OECDガイドライン、国連グローバルコンパクト、ILO条約、およびサプライチェーンにおける労働環境の改善に関連する国際協定に基づいています。
行動規範では、11の労働者の権利について記されています。
- 結社の自由と団体交渉の権利
- 差別の禁止
- 公正な報酬の支払い
- 適当な労働時間
- 仕事上の健康と安全
- 児童労働の禁止
- 若者の労働者の保護
- 不明瞭な雇用契約の禁止
- 強制労働や人身売買による労働の禁止
- 環境の保全
- 倫理的なビジネス行動(腐敗防止)
BSCI参加企業は、BSCIから3本柱の幅広いサポートを受けることができます。
- 連携
- 現地の言葉でのみ利用可能なサプライヤーについての情報提供
- National Contact Groups(NCGs)による、国レベルでの経験や情報の教諭するプラットフォームの提供
- サプライヤーの地元の企業と連携する機会の提供
- 向上
- ワークショップやeラーニングなどのトレーニング
- BSCIのマニュアルやニュースレター
- 監視
- 包括的な監査ツールを、国際的な監査ネットワークと共に提供
- サプライヤーの活動を簡単に追跡できるデータベース
- チェックリスト、自己監査質問票、などの役立つツール
BSCI 2.0
BSCI行動規範の実行システムがBSCI 2.0であり、以下の2つのコアコンセプトによって、参加企業が、社会的責任をビジネスのプロセスとビジネスパートナーに組み込むのを助けています。
- デューデリジェンス:BSCIは企業に、サプライチェーン上の人権侵害リスクを特定、防止、対処するためのアドバイスを行います。
- カスケード効果:企業のビジネスパートナーと一緒に、グローバルサプライチェーンのそれぞれのレベルにおける企業の活動をBSCIは助けます。
最新のBSCI行動規範は2014年に発行されました。2016年1月からは、BSCI2.0での監査のみがBSCI行動規範の監査として認められます。参加企業のビジネスパートナーへは、2年ごとにBSCIの監査を受ける必要があります。監査の結果改善を求められた場合、12か月以内に追加監査を受けます。
SA8000との違い
BSCIは社会的監査の方法と報告を企業に提供していますが、監査企業でも認証システムでもありません。SA8000について、BSCIはベストプラクティスであると表現しています。
参考
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