米国環境NGOの生物多様性センター(Center for Biological Diversity)は4月12日、トランプ政権が建設予定のメキシコ国境壁など国境警備措置が生物多様性破壊の恐れがあるとして、ジョン・F・ケリー米国土安全保障長官とKevin K. McAleenan米税関・国境警備局局長代行を相手取る訴訟をアリゾナ州の連邦地方裁判所で起こした。原告には米連邦政府下院天然資源委員会委員を務めるラウル・グリハルバ民主党議員も加わった。
トランプ大統領が1月25日に署名したメキシコ国境警備強化の大統領令には、壁建設の他、道路、チェックポイント、ベースキャンプの建設、オフロードパトロール、移民取締担当官数千人の追加配置などが含まれている。
生物多様性センターは、警備強化の対象となる太平洋からメキシコ湾に至る地域は、ジャガー、オセロット、フェルジナスピグミーアウル、メキシコ灰色オオカミなど絶滅の危機に瀕している動物の生息地や、ビッグ・ベンド国立公園やオルガンパイプ・カクタス国定公園などに位置されており環境保護対象地区だと指摘。また、米魚類野生生物局も、絶滅危機生物保護法に基づき、米国・メキシコ国境の50マイル内を絶滅危惧種25種以上の重要な生息地であると指定していると主張した。
生物多様性センターは、メキシコからの不法移民流入については、米国南西部の国境地帯からの不法移民流入は歴史的に低い水準にまで減少しており、以前より国境付近は安全になっているとし、国境警備強化は必要ではないとの見方も暗に示した。
今回の訴訟では、国土安全保障省と税関・国境警備局に対し、トランプ政権の国境警備強化策についての追加環境インパクト評価の実施を要求している。
【参照ページ】Lawsuit Targets Trump's Border Wall, Enforcement Program
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