パーム油世界大手シンガポールのウィルマー・インターナショナルは6月25日、森林破壊の疑いのあるパーム油のサプライヤーGama及びその関係会社からの調達を6月20日までに停止したと発表した。国際環境NGOグリーンピースがウィルマー・インターナショナルに対しGamaからの調達停止を要求していた。
グリーンピースは同日、Gamaがインドネシアにおいて森林破壊を引き起こし、ウィルマー・インターナショナルの掲げるNDPE(森林破壊ゼロ、泥炭地ゼロ、搾取ゼロ)方針に違反していると主張していた。Gamaは、ウィルマー・インターナショナル共同創業者で現社外取締役のマルトゥア・シトルス氏とその兄弟が立ち上げた企業。しかしウィルマー・インターナショナルは、社外取締役とその家族が経営するGamaに対する経営支配力はないとし、同社が引き起こしているとされる森林破壊に対しては責任を持たないと表明した。
その上でウィルマー・インターナショナルは、Gamaとその関連会社が、同社が掲げるNDPE方針に違反しているとし調達を停止することを決定。同社CEOから直接グリーンピースに対し連絡した。同社は今後もグリーンピースとの対話を続けていくことも伝えた。
ウィルマー・インターナショナルは6月8日に、シンガポール大手銀行OCBC(華僑銀行)との間で、同社のサステナビリティ・パフォーマンスに応じて金利が変動する融資契約を締結。2億米ドル(約220億円)の融資を受けた。サステナビリティ・パフォーマンスは、ESG評価大手蘭Sustainalytics(サステイナリティクス)が担う。
[2018/7/6追記]
同社は7月3日、マルトゥア・シトルス社外取締役を7月15日付で解任すると発表。シトラス氏は、同社の共同創業者で、2006年7月から2013年6月までCOO、2013年7月から2017年3月まで副会長、2017年4月から社外取締役となっていた。
【参照ページ】RESPONSE TO REPORT RELEASED BY GREENPEACE TODAY ON “KEEPING DEFORESTATION IN THE FAMILY”
【参照ページ】OCBC BANK PARTNERS WILMAR ON LARGEST SUSTAINABILITY-LINKED BILATERAL LOAN BY A SINGAPORE BANK
【参照ページ】Resignation of Non-Independent Non-Executive Director and Country Head of Indonesia
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