カナダ政府の「サステナブルファイナンスに関する専門家パネル(Expert panel on sustainable finance)」は10月25日、中間報告書を公表した。同パネルは、カナダ財務省とカナダ環境・気候変動省が2018年9月に設置。カナダ銀行副総裁を務めたトロント大学ロットマンビジネススクール長、カナダロイヤル銀行取締役、ケベック州貯蓄投資公庫(CDPQ)上級副社長、オンタリオ州教職員年金基金チーフ・リスク&戦略・オフィサーの4名が委員を務めている。最終報告書は2019年春に公表する予定。
同レポートは、「カナダ経済を代表する多くの業種は炭素集約的な経済であり、(リスクに)晒されている」と言及。カナダは石炭資源大国であるためだ。そのため、官民の金融機関や投資家が連携し、低炭素社会に移行するよう導く重要性を強調した。
サステナブルファイナンスに向けた重要方針としては、まず、カーボンプライシング等の政策を明確にすることで、市場の長期思考を醸成できるとした。また、気候関連データや帰還関連財務情報の開示も重要とし、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言を導入することにも触れた。さらに、フィデューシャリー・デューティー(受託者責任)を明確にすべきとした。
金融商品では、建物の二酸化炭素排出量削減のための修繕プロジェクトに向けた証券化、持続可能なインフラへの民間投資拡大、再生可能エネルギーの推進、石油ガス業界の環境イノベーション、電力の分散化・マイクログリッド化推進等を掲げた。
【中間報告書】INTERIM REPORT OF THE EXPERT PANEL ON SUSTAINABLE FINANCE
【中間報告書サマリー】THE EXPERT PANEL ON SUSTAINABLE FINANCE EXECUTIVE SUMMARY
【機関サイト】Expert panel on sustainable finance
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