「フォーチュン500」、「フォーチュン・グローバル500」などで知られる米ビジネス誌フォーチュンは8月19日、事業を通じて社会に変革をもたらしている企業ランキング「Change the World 2019」を発表し、トップ52社を選出した。このランキングは2015年から開始され、今年で5年目。選出対象は年間売上10億米ドル以上の企業。ランキングの発表は、ハーバード・ビジネス・スクールのマイケル・ポーター教授やマーク・クラマー教授らが設立したコンサルティングNGOのFSGとCSV推進機関Shared Value Initiativeが協働で実施している。「Change the World」ランキングの特徴は、マイケル・ポーター教授らが提唱する「CSV(共通価値創造)」の観点から、(1)企業が生み出したソーシャルインパクト、(2)ソーシャルインパクトが企業自身にもたらした成果、(3)イノベーションの3つの観点で、独自に企業評価を行う点にある。
Change the World 2019 トップ15企業
- クアルコム(通信)(米国)
- マスターカード(金融)(米国)
- BYD(自動車)(中国)
- TE Connectivity(電気電子)(スイス)
- ウォルマート(小売)(米国)
- サンタンデール・ブラジル(金融)(ブラジル)
- センティン(ヘルスケア)(米国)
- バンク・オブ・アメリカ(金融)(米国)
- シュナイダーエレクトリック(電気電子)(フランス)
- TerraCycle(リサイクル)(米国)
- ゴジェック(IT)(インドネシア)
- Viasat(通信)(米国)
- ウォルグリーン(ヘルスケア)(米国)
- EY(アウトソース)(英国)
- BDB(ヘルスケア)(米国)
Change the World 2019 日本企業
46位 NTT(通信)
評価観点である「ソーシャル・インパクト」では、社会課題に対して企業が影響を発揮したソーシャル・インパクトをフォーブスとFSCが独自の情報源を活用して評価を行っている。また、「企業自身にもたらした成果」の観点では、そのソーシャル・インパクトがもたらした企業への具体的な財務的価値を測定しており、とりわけ収益性の向上や株式価値の貢献に繋がった場合は高く評価される。一方で、レピュテーションや従業員満足などの成果に関しては考慮されるものの相対的な価値は収益貢献などより低い。「イノベーション」観点では、ソーシャル・インパクトをもたらし活動が革新的であり、他の企業にとっても広がりを見せる可能性のあるものが高く評価された。
同ランキングは、毎年ランクインする企業が大きく変わる傾向にある。昨年から2年連続でトップ15入りを果たしたのはバンク・オブ・アメリカのみ。
日本企業では、NTTが初めてランクイン。電子監視装置を用いてサイの密猟を防止している点が評価された。一方、過去3回ランクインしていたトヨタ自動車は、2019年にはトップ50から姿を消した。また、2016年にトップ50入りしていた伊藤園とパナソニックは今年もランクインできなかった。
新興国企業の台頭も目立ち、今年はトップ15内に、中国企業が1社、インドネシア1社、ブラジル1社が入った。16位以下でも、米国企業に混ざって、新興国企業が多数入っており、社会課題ソリューションを巧みに事業化している様子が伺える。
また、今年も昨年に続き、売上10億米ドル未満の企業の中から「Ones to Watch(昨年まではRising Star)」として傑出した6社を選出。視覚障がい者向け装置開発Aira(米国)再生ナイロン開発Aquafil(イタリア)、高効率クッキングストーブ開発BioLite Energy(米国)、インフラ未整備地区でのインターネット回線提供BRCK(ケニア)の6社が選ばれた。
【ランキング】Change the World 2019
【参照ページ】Fortune’s 2019 Change the World List: Companies to Watch
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