保険世界大手仏アクサは11月27日、新たな気候戦略を発表。具体的には、パリ協定と整合性のある投資運用を実現するための測定強化、石炭ポリシーの強化、トランジションボンド推進を掲げた。
今回の新戦略では、まず、パリ協定との整合性を確保するため、気候変動を1.5℃上昇未満に抑えるための投資運用における全体フレームワークを策定する。具体的には、スイス金融情報ベンダーのカーボン・デルタの協力を得て、投資ポートフォリオの「温暖化ポテンシャル」を温度で表す指標を独自に開発。その温度指標を、現行の3.3℃から2050年までに1.5℃にまで下げる。業界平均は3.7℃。同指標は、国の二酸化炭素排出量や削減目標、企業の排出量や、環境関連特許を総合的に判断するアルゴリズムから算出される。詳細は、同社の「2019年気候レポート(2019 Climate Report)」の中で説明している。
石炭ポリシーについては、アクサは2015年に石炭ダイベストメントを決定し、2017年に一度強化。今回さらに基準を厳しくする。具体的には、欧州及び経済協力開発機構(OECD)諸国では2030年までに、その他の国では2040年までに一般炭(石炭)採掘と石炭火力発電に関連する企業からダイベストメントする意思を明確にした。
【参考】【フランス】アクサ、石炭ダイベストメント対象を約3200億円に拡大。丸紅など日本企業20社も対象か(2017年12月15日)
また、資金使途を二酸化炭素排出量の多い業種の企業が低炭素に移行するプロジェクトに限定する債券「トランジションボンド」というコンセプトを発表。グリーンボンドに基準を満たさない資金使途でも、トランジションボンドという形で低炭素化を推進していく考えを示した。
【参考】【フランス】クレディ・アグリコル、トランジションボンド120億円発行。アクサIM向け私募債(2019年11月29日)
【参照ページ】AXA’s new climate strategy sets the bar high
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