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【国際】GWEC、風力発電ギアボックスの2019年市場レポート発表。需要増に耐える生産能力あり

 風力発電国際業界団体の世界風力会議(GWEC)は12月17日、風力発電関連情報の収集・分析プラットフォーム「GWEC Market Intelligence」を活用し分析したギアボックス市場のレポート「Global Wind Gearbox Supply Chain Update 2019」を発表。今後5年間、成長が見込める市場と分析し、脱炭素社会へのエネルギー移換を実現するためには、開かれた投資環境を整備する必要があるとした。

 世界の風力発需要の増加に伴い、風力タービンの回転エネルギーを電力に変換する部品「ギアボックス(トランミッション)」の市場も成長を続けてきた。欧州で開発されて以降、米国やアジアに拡大してきたギアボックスの市場規模は、米国と中国の風力発電の設置ラッシュにより、ギアボックスの需要は2019年に56.4GW分、2020年には59.1GW分に達すると予測した。同レポートによると、現在ギアボックスの生産能力は世界全体で約75GW分ある。今後5年間、ギアボックスのサプライチェーン上には、大きな弊害が予測されず、風力エネルギー需要は維持されると分析した。

 風力エネルギー需要が成長する一方、ギアボックス市場は過去10年間で、大幅に統廃合が進んだ。2010年に世界で50社あったギアボックス・サプライヤーは、2019年現在、20社未満にまで減少。背景には、2011年から2013年の世界の風力市場の縮小や、タービンOEMの市場統合があるとした。NGC、ZF、Winergyらギアボックス大手3社は、グローバルの生産能力の4分の3を占める。今後、激しい競争環境におかれる2次サプライヤー、3次サプライヤーの統合が進むと予測した。

 昨今の米中貿易戦争は、中国に生産拠点を置き、米国を主な輸出先としているギアボックス製造企業にネガティブな影響を与えた。欧州のWinergyとZFは、グローバルな設置面積を活用し、米国の関税による損失を軽減する成功。一方NGCは、今後、米国が中国への輸出関税を最大50%引き上げる可能性があるとして、グローバルサプライチェーン戦略を見直し、インドの生産拠点設立を開始した。

 コンポーネントに着目すると、従来型ギア駆動タービンの2018年世界市場シェアは73%。短期・中期では、モーターの回転力をギアボックス等の間接機構を介さず、駆動対象に直接伝達する「ダイレクトドライブ」が、従来型ギア駆動タービンに取って代わる可能性は低いと分析した。一方、洋上風力発電に限っては、ダイレクトドライブの市場見通しは好調。2023年に63%に達すると予測した。

 また、中速ドライブトレインは人気を博しており、世界市場シェアは、2015年に1%超、2018年に3.7%に達した。この成長傾向は今後も続くと考えており、2023年の新規設置における世界のギアボックス需要の10%は、中速ギアボックスになる可能性が高いとした。

【参照ページ】GWEC launches the Global Wind Gearbox Supply Chain Update as part of its Market Intelligence Platform

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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