国際環境NGOは5月4日、デンマーク製肉大手ダニッシュ・クラウンが、大豆サプライチェーン上で、南米での森林破壊に関与していると非難したレポートを公表した。
今回のレポートを作成したのは、国際環境NGOマイティ・アース、ノルウェー環境NGOフォレスト・ファンデーション・ノルウェー、デンマーク環境NGOフォレスト・オブ・ザ・ワールド。デンマークには毎年90万tもの大豆が豚の飼料として輸入され、その大半がブラジル、アルゼンチン、パラグアイを中心とした南米産。ダニッシュクラウンが商品とする豚も南米由来の大豆を飼料に育てられている。同社は欧州での豚肉生産最大手で、その90%が輸出用。輸出先も約130ヶ国に上る。
同レポートは、飼料用の大豆の多くは、栽培時に森林伐採を引き起こしていることを問題視。森林破壊は動植物の生息域を奪い、先住民の生活を荒らしており、また大量の二酸化炭素を排出する。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によると農業は化石燃料と並ぶ気候変動の要因となっている。近年の世界的な食肉需要の増加を背景に、世界の大豆生産量は過去50年で10倍に増え、その75%が家畜の飼料として使われている。急増した大豆需要は、新たな耕作地の開拓を促し、近年のブラジル政府による森林保護の規制緩和と相まって、ブラジルでは2019年に史上最多の森林火災数を記録した。
同レポートは、ダニッシュ・クラウンは企業ポリシー等でサステナビリティを謳いつつも、具体的な対策を取ってこなかったと批判。他の小売・食品企業と比べてもアクションが少ないとした。具体的には、大豆調達が森林破壊を引き起こしていないと保証できていない点、カーギル等の森林・生態破壊を起こしてきた企業から大豆を調達している点を批判した。サプライチェーンのを把握し、大豆のトレーサビリティを強化することを要求した。
【参照ページ】New Report: Pork giant Danish Crown linked to tropical deforestation
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