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【国際】新型コロナ対策での位置情報活用、監視社会化招く。ヒューマン・ライツ・ウォッチ警鐘

 国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は5月13日、新型コロナウイルス・パンデミック対策のために活用されているスマートフォンの位置情報活用について、人権侵害との関係を指摘したQ&Aを発表。不必要な人権侵害を招いていると警鐘を鳴らした。

 同NGO等は4月、人権保護と行き過ぎた監視を予防する上でのアプリの機能条件を提示していた。

【参考】【国際】人権NGO100以上、新型コロナ対策での政府のデジタル監視で使用条件提示。乱用抑止(2020年4月11日)

 今回のメッセージは、位置情報を活用した対策アプリを運営している政府と企業の双方に向けられたもの。ヒューマン・ライツ・ウォッチは、パンデミック対策として、位置情報を活用することには大きな人権侵害のリスクがあり、監視社会化を招くとして反対する立場を強調した。特に今回、中国、韓国、イスラエル、米国での活用状況を詳述し、市民や関係者に関心を呼びかけた。

 米国では、一部の州や地方行政府で、スマートフォンの位置情報をモバイル広告会社から収集し、米疾病管理予防センター(CDC)に共有している。但し、収集、共有、匿名化、分析に関する方法については公表されていない。同NGOは、目下、連邦政府が企画している全国レベルでのコロナウイルス・サーベイランス・システム構築で、オンライン広告会社のデータがどうリンクするのかを注視している。

 韓国では、スマートフォンの位置情報に加え、街中の監視カメラ、クレジットカード、ATM利用等の情報も組み合わせ、新型コロナウイルス感染者の行動を補足。行動状況を市民に知らせるためプラットフォームを3月26日から公表している。また、感染者の隔離前48時間以内に感染リスクの高い人のスマートフォーンに、感染者の年齢、性別、移動経路を通知する措置も実施しているという。

 中国では、企業が開発したアプリを地方政府の判断で導入が実施。目下、全土で7億人が、行動の制限なしの「緑」、7日間の隔離を求める「黄」、14日間の隔離を求める「赤」の3段階に自動的に分類されている。公共交通機関の利用やスーパーマーケットの入店、ビルの入館時には、アプリにあるQRコードの提示が求められる。また情報は全て警察に共有されている。3段階の色表示のアルゴリズムは秘匿化されており、必要な隔離期間を終えても、色が緑に戻らないケースもあるという。このアプリにより、政府の意に沿わない人の移動を簡単に制限できる状態になっている。

 その上でヒューマン・ライツ・ウォッチは、アプリの設計及び開発において、担保すべき内容をQ&Aの中でも伝えた。

【参照ページ】Mobile Location Data and Covid-19: Q&A

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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