コーヒーチェーン世界大手米スターバックスは6月12日、店舗スタッフに対し、アフリカ系米国人への人種差別問題を喚起する「Black Lives Matter」というメッセージの着いたボタンやピンバッチの着用を禁止していた問題で、先の方針を撤回し、「Black Lives Matter」を全面支援する方針を発表した。スタッフの安全面よりも、スタッフの意思を重視する方針に転じた形。
今回の一連の流れは、同社が政治的信条や宗教に関するピンバッチやボタンの着用を禁止する指示を出した内部資料をオンラインメディアBuzzFeedが報じたことで、同社に対する批判が集まったことに端を発する。同社の内部資料では、店舗スタッフから店長への確認を店長が本部に照会したことに対する回答という形で出されていた。
同内部資料では、労働組合や支援団体に関するピンバッチやボタンの着用は、安全面を損なったり、同社の顧客との関係を脅威に晒すものでない限り認められるとし、危険やブランドイメージ毀損を伴うものには禁止するとの姿勢を明記。また、「Black Lives Matter」に関しては、曲解して扇動することや、意図的に分断を作り出そうとするおそれがあることも記載していた。
(出所)BuzzFeed
しかしその後、LGBTQに関しては禁止されていない中で、同社が「Black Lives Matter」だけを禁止することは不当との批判が社内からも噴出。禁止行為そのものがシステミックな人種差別との声も上がっていた。
6月12日の発表では、この方針を180℃転換し、「Black Lives Matter」を全面的に支持することを表明した。具体的には、ピンバッチやボタンだけでなく、Tシャツの着用も奨励し、スターバックスとして「Black Lives Matter」のメッセージが入ったTシャツ25万枚を米国とカナダの、アフリカ系米国人従業員チームに配布すると発表。
【参照ページ】Starbucks Won't Let Employees Wear Gear That Supports Black Lives Matter Because It Is Political Or Could Incite Violence
【参照ページ】Black Lives Matter: Starbucks update on standing against racial injustice
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